FEATURE

ふくおか経済EX 2020

愛和グループ((株)愛和、(学)愛和学園)


「人を喜ばせること」を共通理念に少子高齢化に挑む

居住者の好みに合わせたコンセプト不動産®は20種類を超えた。20〜30年後を見据え高い物件力で他社とは一線を画す。教育事業では2017年のIT関連学科開設に続き、来春には音楽学校を開校する。グループ全体で「人を喜ばせること」の理念を共有しつつ、少子高齢化で激変する将来を向けて新展開を進める。

オーナーとともに作るコンセプト

2017年夏以降、居住者の趣味・嗜好に合わせたコンセプトアパートの展開を進めるアパート1棟売りの㈱愛和。オシャレ好きのための「衣装部屋プラン」や読書家のための「マイライブラリープラン」など、種類は20プランを超えた。新たに登録商標してコンセプト不動産Ⓡの名称で展開を進める。
なかにはオーナーと共同で作り上げた物件も生まれている。福岡市東区箱崎の「ブルックリン箱崎ラスパシオⅠ」はニューヨーク・ブルックリンの街並みをイメージした「ブルックリンプラン」。おしゃれなインテリアがなじむカフェのようなデザインをベースに、オーナーとの打ち合わせでポールライトやウォールペイントでさらに個性を打ち出し、こだわりの空間を実現した。
オーナーはこの物件が10棟目で、阿部社長は「最近では不労所得を生み出すニーズだけでなく、アパート経営自体を楽しむオーナーも増えている」と話す。このためコンセプト統括部を新設。オーナーのこだわりを反映しつつ、収益性や賃貸需要の観点を踏まえた提案を進めていく。

ニューヨーク・ブルックリンの街並みをイメージした「ブルックリンプラン」
アパートオーナーとコンセプトの打ち合わせ

優れた物件力で確かな資産形成

コンセプト不動産®の展開の背景については次のように話す。「2025年には少子高齢化がピークを迎える。若年層向けに大量生産のアパートを展開していけば、供給過多で家賃競争になる。コストはかかるかもしれないが、居住者の好みに合わせた個性ある物件を開発することで、入居者定住と資産価値を高めたい」。
もう1つの背景は用地不足問題で、アパート供給側の視点は駅からの距離、専有面積、家賃に絞られ、商品開発に向いていない現状を指摘。「コンセプト次第で多少不便な用地でも地域の特異性を生かせ、土地の価値を見直して有効活用を図れる」と利点を挙げる。その根底には入居率を最重視する揺るぎない信条がある。
提案する資産運用の確かさは、97.5%の高い入金実績でも立証されている。空室が少ないので、ほとんどの供給物件は当初示した収支シミュレーション通りに進み、2007年以降で家賃を下げた物件はわずかに1件だけで、資産運用の確かさを物語る。また、昨年9月には5,000万円の福岡銀行の保証付私募債を発行した。この点でも優れた物件力と確かな資産運用が推し量れる。

来春、福岡市東区に音楽学校開校へ

日本語学校の愛和外語学院と2校の専門学校を運営する(学)愛和学園には約1,300人の留学生が学ぶ。国際アニメーション専門学校では18年春にITエンジニア学科を開校。IT企業約100社とカリキュラムを策定し、実践的な教育が進む。企業関係者は授業参観やインターンシップを通じて実力と将来性を肌で感じ、約200社が有望な人材の卒業を待つ。
また、「あらゆる人が、個性を認め合い、可能性を見つけることで、無限に発揮する」という当校のビジョンに基づき、来春には福岡市東区に音楽学校を開校する。人手不足で外国人労働者の活用が急務となるなか、今後も国の緩和政策を見ながら有益な専門コースの開設を進める方針で、「専門知識を身に着けて就労ビザの取得を目指すが、単なる就職にとどまらず、職場で主体性を持って活躍できる人材の育成を図る」と基本姿勢を示す。

阿部 浩二 社長
あべ・こうじ/福岡市出身。1987年11月に同社を設立し、社長就任。91年10月日本語学校の愛和学園・愛和外語学院を設立し、理事長就任。2011年(学)松本学園をグループ化し、理事長就任。17年運営する愛和外語学院と専門学校2校をグループ化して(学)愛和学園設立。趣味はバンドとクルージング

 

採用情報
募集職種/全般
応募資格/全学部・全学科
採用予定/若干名
問合せ先/TEL.092-263-8720
担  当/コンセプト統括部 平形

(ふくおか経済EX2020年)