FEATURE

TheFace 2018

富士通九州システムズ


松井 和男

㈱富士通九州システムズ 社長

まつい・かずお/(右から3番目)京都府出身。1960年9月2日生まれの58歳。東京理科大学理学部卒。83年4月富士通入社。14年12月からアシュアランス本部長を務めた後、一昨年4月から現職。現場時代は労働省・ハローワークのシステム構築初代プロジェクト、法務省の登記システムの初代プロジェクト、金融部門ではメガバンク、政府系金融機関、ネットバンクのプロジェクトなどに携わった。趣味はゴルフ、将棋(五段、高校時代団体全国3位)、麻雀(大学選手権団体優勝)。中学時代は野球で京阪神大会優勝も

新生FJQS、グローバル、デジタル、セキュリティ3本柱に

今年4月、子会社の富士通九州システムサービスと一社化し、新生・富士通九州システムズ(FJQS)となった同社。
今期から、公共やヘルスケア、農業の領域を担当していたパブリック部門が富士通本体に移管されたことで、売上規模はおよそ3割縮小した。それでも残った部門全体では今上期、売上高が約176.4億円、営業利益18.5億円でいずれも予算を達成。前年同期比でもプラスとなった。けん引したのは社会インフラを扱う社会ソリューション本部、流通、サービス業向けの産業流通ソリューション本部、製造業向けのエンジニアリングソリューション本部などだ。また、全部門で仕損がゼロだったことも奏功した。
今期は「グローバル」、「デジタル」、「セキュリティ」を重点テーマ3本柱に掲げる。それぞれに担当役員を配置。新しいビジネス化のために投資も前年度より増やす計画だ(「グローバルビジネス」に1億円、「デジタルビジネス」に1億4000万円など)。
また、近年、積極展開しているSaaSビジネスは、売上げが右肩上がりで推移。今年度は売上高13.4億円に対して利益率は25%を超える見通しだ。商品数も従来の15から21に拡充する。新たに加わるのは、専用回線を通じた円滑なキャッシュレス決済を可能にする「Card‐SaaSのカード番号保管サービス」、不動産リート会社と協力したホテル向けの「GLOVIA smartホテルSaaSのレベニューマネジメントサービス」、宮崎県畜産試験場と共同研究した牛の分娩室内の変化を画像認識技術で検知する「牛見時」などだ。
最近ではこれらSaaS商品に限らず、いくつかのソリューションで外部と共同で開発する「共創」も同社の新たなキーワードになっている。
「機能を売るのではなく、生み出す価値をお客様に買っていただく」。
松井社長も力が入る。
一方、採用面では今年10月、来年度入社予定者として前年より15人多い52人を内定した。そのうち女性が3割を占め、この数年では最多だ。かねてから新人のうちの女性比率を上げたかったという松井社長は「(3割という)念願が叶った」と語る。全社人員も冒頭のパブリック部門移管で約350人少なくなったが、今後、十分な数の人員確保で補いたい考え。
ひいては、売上げでも、現在残った部門で、移管前に見据えていた500億円を再び目指していく。

 

DATA
所在地/〒812-0007 福岡市博多区東比恵1-5-13
TEL/092-260-6200
設立/1981年7月
資本金/3億円
事業内容/システム企画・コンサルティング、システム・インフラ構築サービス、クラウドサービス開発・販売ほか
従業員/1,100人(2018年6月)
売上高/456億円(18年3月期)
拠点/熊本、大分、東京、大阪
関連会社/FQSポーランド㈲(100%出資子会社)

http://www.fujitsu.com/jp/kyushu/

(ふくおか経済2018年11月号FACE)