FEATURE

ふくおか経済EX 2022

大英産業(株)


地域の課題解決に向き合う総合住宅不動産会社

(写真左上)宮地弘行 取締役副社長
みやち・ひろゆき/佐賀市出身、1957年3月25日生まれの65歳。趣味は読書。ブログ。座右の銘は「禍福は糾える縄の如し」。街づくり事業本部の担当役員として、40年以上不動産業に携わってきた知見とノウハウから、未来の街づくりに並々ならぬ思いを持つ
(左下)ロゴマークは「住まい」と「ココロ」をひと繋がりのように示し、住まいから開くドアのようにも見える「ハート」のイメージは「地元愛」を表現している
(右上)住宅端材の廃棄に対する課題解決と子供たちの学びの場を提供している「北九州みらいキッズプロジェクト」
(右中央・右下)シャッター街だった市場「小嶺マーケット」は、再生プロジェクトによって物販やイベントなどを開く地域のコミュニティーの場に

福証上場で地盤の北九州をはじめ九州・山口エリアで展開する総合住宅不動産会社。SDGsという言葉が定着する以前から、「地域の課題解決」という視点で、多様なプロダクツを生かし持続可能な街づくりに貢献してきた。これからも地域密着で真の暮らしやすさを追求し社会的使命を果たす。

持続可能な街づくりを事業の軸に

「元気な街、心豊かな暮らし。」
この経営理念のもと、九州・山口でマンション「サンパーク」シリーズや戸建て「サンコート」シリーズを展開するほか、近年は戸建てとマンションを融合させた「タウンハウス」の分譲、中古買取再販、戸建て賃貸など、価値観やライフスタイル、時代の変化に即した関連事業を多数手掛ける。地域と歩む「住まいカンパニー」は、誰もが快適に住み続けられる街の姿の創造を原動力にサービス領域を拡大してきた。
今春には北九州市八幡西区のJR陣原駅南口で、市が売却した土地(約2万5000㎡)に、松尾組、しょうわ会と共同で、医・商・住を一体的に開発する大規模な再開発事業(2025年完成予定)が始動した。大英産業は13階建てマンション(48戸)を建設予定。地域住民の利便性と持続的な「街なか」居住の促進で、持続的に発展する街づくりに貢献していく。

(写真)JR陣原駅南口で開発が始まった医・商・住が融複した複合施設では大英産業が13階建てマンションを建設する

社会課題解決に取り組むことそのものがSDGs

街づくりへの貢献は、PPPやPFIを含む官民連携の大規模事業だけではない。長崎県の諫早市の商店街では、店舗と住居一体型のマンションを作り、住まいと融合した新しい商店街の形を実現する再開発を手掛けたほか、地元では黒崎商店街の活性化プロジェクト、そしてほぼ空き家となった市場「小嶺マーケット」(北九州市八幡西区小嶺台3丁目)を改装し、地域コミュニティーという新たな空間へと蘇らせる地域再生プロジェクトにも参画。「社会課題解決」に主眼を置くこれらの取り組みは、まさに「11.住み続けられるまちづくりを」というSDGsの項目にも合致する。それは意識して取り組んできたわけではなく、結果として同社が取り組んできたそのものが、すでにSDGsだったということに他ならない。

発展のカギは外部とのネットワーク

SDGs先進都市として知られる北九州市にとって、同社の取り組みは地元企業のSDGs普及への動機付になった側面もある。その一例が「北九州みらいキッズプロジェクト」だ。これは建築時に出る端材を、大工製作を通じ、子供たちの就業体験、さらにシニア大工や障がい者の活躍機会の提供につなげることを目的とした障害福祉サービス事業所「桑の実工房」との共同事業で、今では端材でできた小さなハウスに協賛企業名を入れて幼稚園に寄贈する活動にまで発展している。「SDGsがこれだけ周囲に共感を与える取り組みなのかと改めて実感した。これまで広告を出すことはあっても、広告協賛金をいただく立場になるとは想像していなかった(笑)」と宮地弘行副社長。取り組みの具体化、収益化、SDGsへの見える化を実現したモデルとして、プロジェクト賛同の輪は今後も着実な広がりをみせそうだ。
「SDGsも持続可能な街づくりを実現するにも、収益を上げながら社会価値も上げる、この両立が重要。自社完結型では広がりがない。これからは同業他社を含め、賛同いただける企業との協業を視野に外部とのネットワークをもっと広げたい」。宮地副社長の思い描く未来にあるのは、地域の課題に対し、互いに寄り添い、協調し、行動することで発展していく街の姿だ。

(写真)八幡西区役所跡地を活用して建設された「ザ・サンパークシティ黒崎」(256戸、2019年完成)。閉鎖的になりがちな入居者同士のコミュニティを促進したり、1階スペースや共用部分の一部を解放するなど、多世代・地域、自然との「共生」を実現した大英産業のカラーを色濃く反映したマンションとなっている

 

【DATA】
所在地/〒807-0075 北九州市八幡西区下上津役4-1-36
TEL/093-613-5500
FAX/093-612-5885
設  立/1968年11月
資本金/3億2,756万円
事業内容/新築分譲マンションの企画販売、新築一戸建住宅の企画販売、宅地開発、造成、販売、中古住宅の買取り再販、住宅リフォームの企画、設計、施工、タウンハウスの企画販売、街づくり事業
年  商/317億2,600万円(21年9月期)
従業員/367人
URL/https://www.daieisangyo.co.jp/

採用情報
募集職種/新卒 総合職(営業、企画、工務)
中途 営業職 専門職(施工管理)
応募資格/短大、専門、高専、大学、大学院卒業見込み、大学卒業の方(2020年3月~2022年3月 卒)
問合せ先/人財開発課

(ふくおか経済EX2022年)