FEATURE

TheFace2008

医療法人社団杏林会


杉岡 洋一

医療法人社団杏林会 理事長

すぎおか・よういち/神奈川県横須賀市出身、1932年11月6日生まれの75歳、九州大学医学部卒, 九州大学元総長。趣味はスポーツ

「技術の継承」をテーマに研究・研修型の新病院

09年5月、福岡市東区香椎照葉3丁目のアイランドシティに股・膝関節外科専門の新病院「杉岡記念病院」が誕生する。股関節外科の世界的権威である杉岡理事長の名を冠したこの新病院は、「技術の継承」をテーマにした研究・研修型の顔を併せ持つ。現在、関節の治療に急速に普及しつつある人工関節は、若壮年の世代には高い活動性の面から摩耗が激しく、将来問題を起こすため適していない。また、高齢者にとっては有効な治療手段だが、脱臼や体内に異物を入れるという面からは問題は皆無ではない。そこで杉岡理事長は「可能な限り関節温存する」治療を目指す。
世界でも有数の関節治療の拠点となる新病院では、国内外から訪れる整形外科医のために研修ホールや宿泊室も設置し、最高峰の治療を提供する研究型病院であると同時に、その技術を継承するための研修型病院としての役割を担う。「医療は芸術と似た部分がある。誰が手術をしても同じではなく、描き手によって変化する。しかし、芸術では門外不出の技術があっても、医療では広く伝えることが重要だ。患者から学んだ術式を途絶えさせないことが患者に対しての礼になると考えている」と杉岡理事長は力を込める。
アジア、そして世界の医療交流拠点として大きな期待が寄せられる杉岡記念病院。脳と運動器の統括的医療を目指す最先端治療の拠点はいよいよ来春稼動する。

 

DATA
〔所在地〕〒812-0041 福岡市博多区吉塚7-6-29
〔TEL〕092-621-3706
〔創立〕1975年3月
〔事業内容〕病院、介護老人保健施設、居宅介護支援事業所、訪問介護ステーション(医療・介護両対応)、健診センターの運営
〔病床数〕吉塚林病院336床、金隈病院646床

http://www.kyorinkai.or.jp/index.html

(ふくおか経済2008年11月号FACE)