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TheFace2007

九州郵船


竹永 健二郎

九州郵船㈱ 社長

たけなが・けんじろう/1936年8月8日生まれ。福岡市早良区出身、関西大学商学部卒。59年九州郵船㈱に入社し、運輸課長、営業副部長を経て91年7月営業部長。92年6月に取締役に就任。96年6月常務取締役。02年6月から社長。趣味はゴルフ

厳しい経営環境にも公共交通機関の使命を全う

4月1日から唐津〜壱岐(印通寺)を就航した九州郵船では、新航路に合わせて最新鋭の新造フェリーを投入した。唐津市民の公募で決まった船名は「エメラルドからつ」。真っ白な船体に緑のラインを玄界灘に色に例え、合併後の新生・唐津市をイメージしたという。旅客定員は350人。普通乗用車で46台収容でき、安全性、操作性、快適性の向上のため、最新鋭の機器を搭載。バリアフリー対応のためにエレベーター1基、身障者用トイレを装備した。エントランスホールにも改良を加え、快適な船旅を追求している。
呼子港に替わり発着港となった唐津港では「海の玄関口」として整備が進む。発着する唐津東港のフェリーふ頭も完成したばかりで、ターミナルビルは新しい船出を祝うように4月1日に供用を開始した。
一方、世界的な原油価格の高騰で、海運業を取り巻く経営環境は厳しい状況を強いられている。同社の燃料費も2倍に跳ね上がったが、「効率化を進めて、なんとしてでも島民の足を守り抜きたい」と竹永社長は語る。大正9年に創業して戦前戦後を通して90年近く壱岐・対馬の生活・経済・文化を支えてきた同社。厳しい経営環境にも、公共交通機関としての使命を守り抜く決意を新たにしている。

DATA
所在地/福岡市博多区神屋町1-27
TEL/092-281-0831
設立/1920(大正9)年8月
資本金/2億円
従業員数/220人
事業内容/海運業(定期旅客船運航・博多−壱岐・対馬、唐津−壱岐、博多−比田勝)
売上高/48億3,000万円(07年3月期)
出先/(支店)長崎県壱岐市、同対馬市(事務所)東京都千代田区丸の内(出張所)対馬市比田勝
関連会社/博多海陸運送㈱、芦辺合同海運㈱(子会社)九郵観光サービス㈱他2社

http://www.kyu-you.co.jp

(ふくおか経済2007年11月号FACE)