FEATURE

ふくおか経済EX 2010

㈱玉屋


新体制のもとさらに「際立つ」企業へ

(写真)春吉地区のランドマーク「玉屋本店」。壁面ビジョンでの各種警察広報活動や野外照明効果、店舗周辺地域での防犯活動等などが評価され、福岡県中央警察署、博多署より過去に3回、表彰を受けている。2月には中洲地区で慢性化する客待ちタクシーによる渋滞緩和を目的とした社会実験「ショットガン方式」でタクシーのプール会場としても活用され話題を集めた

今期から渡邉新体制がスタート

1月1日付で玉屋の新社長に渡邉博春代表取締役専務が昇格した。岩見吉朗社長は代表権のある会長に就き、これまで経営の実務レベルを統括していた渡邉氏が最高執行責任者として、また岩見氏が最高経営責任者としてそれぞれの役割を明確化することで、経営力のさらなる強化を図っている。
この新体制のもと、今期掲げたスローガンが「際立つ」だ。昨今の厳しい経済情勢に加え、遊技機に関する法改正以降、生き残りをかけた厳しいシェア争いが過熱するなど、取り巻く環境が厳しさを増すパチンコ業界。このスローガンには、まさに土俵際とも言うべき今の逆境を跳ね返し、店舗として、そして会社として際立つ存在になる、という強い思いが込められている。

ショットガン方式で玉屋本店立体駐車場に待機するタクシー。3月にはタクシークリーン作戦に貢献したとして博多署から感謝状(左上)が贈られた

全国が注目した社会実験「ショットガン方式」

福岡都市圏を中心にパチンコホール「TAMAYA」を14店舗展開し、今年で創業57年目を迎える全国屈指の老舗レジャーサービス企業の玉屋。飯塚市で誕生し、1984年から店舗の郊外化、95年からは福岡都市圏を中心とした出店戦略へとシフト。そして05年1月には、福岡市中央区春吉にグループのランドマークとして「玉屋本店」を開業している。
すでに中洲・春吉エリアのシンボル的存在として認知されている同店では、大型壁面ビジョンを使った情報発信や地域に配慮した明るい景観が、街頭犯罪の撲滅などに役立っているとして、これまで福岡中央署と博多署から計3度の感謝状を受贈。また今年2月には、中洲地区で慢性化する客待ちタクシーによる渋滞緩和を目的に、立体駐車場を夜間のタクシープールとして活用する「ショットガン方式」と呼ばれる社会実験も実施。国道交通省や福岡市、県警、市タクシー協会などと連携したこの新たな取り組みは、全国でも画期的な事例として多くのメディアが取り上げた。

玉屋が開発した複合商業施設「トリアーダ宗像」で毎年11月に実施される武蔵川部屋激励イベント。多くの宗像市民で賑わう

社会との調和を生んだ数々の地域貢献活動

これまで地域との共存共栄と、新たな街づくりに貢献することを旗印に歩んできた同社にとって、玉屋本店はまさにその象徴たる店舗として、大きな存在感を見せつけている。またこのほかの各店舗でも、地域住民との触れ合いを目的とした各種イベントはもちろん、今期は創業57周年にちなみ、グループ店舗の周辺エリア全57カ所での清掃活動を実施するなど、社会との調和を図った運動は枚挙にいとまがない。
その一方でスポーツ振興への協力にも意欲的に取り組む同社。大相撲九州場所期間中における武蔵川部屋力士への宿舎提供や、KL会(九州女子プロゴルフ研修会)への支援活動はその代表例で、05年3月には青少年育成運動の一環として、同社が運営する複合商業施設「トリアーダ宗像」(宗像市光岡)に、元五輪金メダリストの塚原光男氏が校長を務める「塚原体操館」を誘致。九州初の本格的な体操スクールとして、全日本の体操女子チームも合宿などで度々利用するなど、大きな注目を集めている。

1月24日には、昨秋のロンドンでの体操世界選手権個人総合で女子として43年ぶりの銅メダルを獲得した鶴見虹子選手が「塚原体操館」に凱旋訪問。大勢の観衆が見守る中、公開練習を披露した

充実した研修体制で「TAMAYAイズム」を継承

同社ではさらなる飛躍に向けた強固な経営基盤を構築すべく、特に力を入れているのが人材育成だ。今年1月には社員教育専門部署として「事業・人財開発部」を設置。惜しみなく経営資源を投入した他社にない充実した研修カリキュラムのもと、これまでの長い歴史で培ってきた「TAMAYAイズム」の浸透を図り、幹部を含めた社員のキャリアアップを図っている。また次世代を担う有能な人材を発掘するという点でも、今後の出店計画を見据え、新卒、中途での定期採用も積極的に行っている。
「誰にでもチャンスがある」と日頃から口にする渡邉社長 。新体制となった今、会社の精神を受け継ぎ、社員各自が人間力を高め合いながら、未来を拓く「際立つ」企業へ向け大きな成長の軌跡を描き始めた。

和やかな雰囲気で先輩社員と昼食をとる新入社員。社員食堂は社員の活力の場、そしてコミュニケーションの場として欠かせない存在だ

 

企業DATA
所在地 〒810-0003 福岡市中央区春吉3-12-1
TEL 092-718-3330
FAX 092-718-3331
創業 1953年8月
設立 1991年2月
資本金 3,000万円
事業内容 パチンコ店の経営
年商 500億円
代表者 渡邉博春
従業員 500人
店舗 (福岡地区)本店、宗像店、室見店、新宮店、空港店、太宰府店、屋形原店、野方店、中尾店、大橋店(飯塚地区)飯塚本町店、上三緒店、稲築店(佐賀地区)みやき店
URL http://www.tamaya.gr.jp

採用情報
募集職種 店舗運営スタッフ(幹部候補生)
応募資格 大学卒業見込者、大学既卒者(卒業後5年以内)
採用実績 08年度30人、09年度20人、10年度37人
受付期間 随時
問合せ先 TEL.0120-555-692(専用ダイヤル)soumu@tamaya.gr.jp
担当 総務部 岩崎

(ふくおか経済EX2010年)