FEATURE

ふくおか経済EX 2015

㈱和生


社会貢献と商品開発の功績で社会文化功労賞と国際学術グランプリ受賞

(写真)國生和代社長
(下)社会文化功労賞と各国の推薦を受けて選出される国際学術グランプリを受賞

「愛と絆とこだわり」を持つシマウマの性質に共感し、この理念を事業の原点に置く㈱和生。デザイナー時代から「自身が本当に欲しい」と感じた商品をデザイン性の高いパッケージで開発してきた國生和代社長は、その功績を称えられて社会文化功労賞、そして国際学術グランプリを受賞した。

今回、國生社長が受賞した社会文化功労賞は、国際文化推進協議会(東京都中央区銀座8丁目)が主催する顕彰制度の一つ。昭和46年(1971年)、戦後初代の内閣総理大臣を務めた元皇族の東久邇宮稔彦氏を初代総裁に発足し、芸術・学術・美術・宗教・社会福祉・文化・教育など、さまざまな分野において多年にわたり貢献した人物を表彰するもので、表彰を通じてさまざまな文化・社会活動があることを知らせ、その活動を支援することを目的としている。また、4月1日には財団法人国際学士院の認定機関として、世界107カ国が加盟し、海外文化の研究に熱心な大学の学長や博士によって構成された世界学術文化審議会から、国際学術グランプリを受賞。これまでの功績を広く世界に認められることとなった。

これまでに開発してきた多種多様の商品

ゼブラ柄に込めた妥協のない思い

國生社長の商品開発の根底には、「自身が本当に欲しい」と感じるものという明確な理念がある。ブランドイメージである「ゼブラ柄」からも分かるように、「白か黒か」というはっきりとした人間性が表れていると言えるだろう。だからこそ、本当に良いものに徹底的にこだわり、一切妥協のない商品が生まれる。昨年発売したデンタルケア商品「美VA110(ビヴァイイワー)」は、歯磨きによる歯周病予防に加えて、菌の温床となっている歯ブラシの除菌も必要という観点から開発された。「食を通した心身の健康を願い、食の企業として美味しいものを食べる入口である口腔ケアに着目した」という思いが込められている。
これまで毎年100を超える商品アイデアを発案し、その行動力で多くを商品化。この春には、㈱友枡飲料(佐賀県小城市)と共同開発した健康ドリンク「うまくいく」を発売する。馬プラセンタ2300㎎に加え、唐辛子やビタミンを配合しており、「ネーミングから分かる通り、体を活性化させる勝負ドリンク。飲んで実感してもらいたい」と説明する。また、すでにドリンクシリーズ第2弾として癒しをコンセプトにした美容系ドリンク「なかったことに」や、ジェラートとアイスクリームを融合させた「ジェラクリート」の発売も控えており、今後も同社の新商品に注目が集まる。

ゼブラ柄が目を引く本社外観

古き良き日本文化を生かした商品を海外へ

現在、アジアをはじめとした海外からの引き合いもあり、将来的には欧州への進出を視野に入れている同社。だからこそ、今回の受賞による世界へのブランドアピールは大きな意味を持つ。「日本人ならではの感性で、古き良き日本の文化を生かした商品を世界に発信することが目標」とするが、「時間はかかってもアナログなやり方は崩さない。効率化は必要でも、便利になればなるほど知恵がなくなる。例えば料理はレシピ通りに作っても同じ味にはならないし、季節や日によって味を調節することが思いやりであり、人の心を動かす」と思いを語る。
常にオシャレで格好良くというデザイン性、そして食材や味、機能性などへのこだわりを追求し、五感に響く商品をつくり上げてきた國生社長。「これからはさらに意志や想いという第六感を込めて、より一層素敵な商品をつくっていく」と語る視線の先には和生ブランドの大きな可能性が広がっている。

企業DATA
所在地 〒816-0813 春日市惣利2-5
TEL 092-596-6676
FAX 092-595-2987
設立 1984年12月
資本金 6,000万円
事業内容 食品・健康・美容商品の通信販売
年商 10億円
従業員 60人
関連会社 ㈱國生
URL http://www.washo-inc.jp/

(ふくおか経済EX2015年)