FEATURE

ふくおか経済EX 2009

㈱九建


技術の継承・発展、そして強い
“新生・九建”へ新中期経営計画始動

1953(昭和28)年の創立以来、「人と技術で未来を築く」を企業理念に、半世紀以上にわたって九州を中心に送電線路建設工事やメンテナンスを通して、電気の安定供給の一翼を担ってきた九州電力グループの㈱九建。近年も第4次中期経営計画(07〜09年度)のもと、経営改革に取り組んできたが、不透明な経営環境のなか、それを見直した09年〜11年度の「第5次中期経営計画」を始動した。「技術の継承・発展、そして強い、新生・九建」をスローガンに、九州における責任ある送電工事会社として、保有する経営資源を生かした事業展開や人材・組織の機能向上などに取り組み、「お客様と社会から信頼していただける企業」を目指す。

1953年に現九電工から分離設立
九州電力グループの一翼担う

同社は、九州電力グループの1社で九州最大手の電気工事会社、九州電気工事㈱(現㈱九電工)の建設部が分離し、「九州電気建設工事㈱」として設立。以来、送電線路建設工事・保守において、九州一円をはじめ、広島、沖縄に拠点を配して、その業容を拡大してきた。設立40周年を迎えた93年8月には、現在の「㈱九建」に社名変更、96年9月には現本社社屋も完成。一方で、将来的な電力会社の設備投資減少を見据え、2002年1月にスーパー銭湯「湯あみの郷」を筑紫郡那珂川町に開設したのをはじめ、賃貸学生マンションや駐車場の経営など遊休地などの資産を活用した新規事業にも取り組み、九州電力グループ(九州電力㈱および㈱九電工の連結対象)の1社として、その一翼を担っている。

那珂川町のスーパー銭湯「湯あみの郷」

送電業界有数の高所作業の技能者集団

同社の主力事業である送電線建設工事とはどういったものか、ご存知だろうか。誰もが一度は郊外や山岳地に電線の張られた大きな鉄塔が立っているのを見たことがあるだろう。それが送電線であり、現代社会に欠かせない“電気”を発電所から各家庭の近くの変電所まで送る重要な役割を担っている。その送電線工事は、架空線工事、地中線工事、そして保守点検工事に大別される。
架空線工事は、工事現場への道づくりに始まり、基礎の堀削工事と鉄塔の組立工事を行い、送電線を張る架線工事の施工で完成する。同社ではあらゆる工程で、安全性を高め省力化を目指し、先進機器を導入する一方、今なお熟練した特殊工の力と技が工事の重要なポイントとなる。九建協力会社4社は、全国約4800人いる架線電工のなか、実に160人を擁し、全国有数の人材と技術レベル層の厚さを誇る高所作業のプロフェッショナル集団なのだ。特に長径間の海峡横断時の定張力架線工法、市街地架線時の吊金工法など、熟練した特殊工法は、高い信頼を得ており、その活躍の舞台は九州を中心としながらも、日本全域に広がっている。
また、都市機能の高度化や都市景観の重視に伴い、送電線を地下に張り巡らせる地中線工事でも、安全面や作業効率、経済面で細心の配慮を施し、先端工法の採用や新機器の開発に力を注いで精度の高い施工体制を確立。それらの技術をもとに近年は、電力工事以外の土木工事分野にも進出している。
それらの新設工事に加えて、保守点検工事部門では、88年から専門部署を設けて、九州一円のメンテナンスを実施。電気の安定供給のため、専門の教育・研修を受けたベテランスタッフが、僅かな異常の兆候も見逃さないようパトロールや点検、補修を行っている。特に近年の送電線設備の高経年化に伴い、その役割は重要性を増している。
これら送電線工事が一般的な建設工事と大きく違うのが、協力会社各社が基礎工事、組立工事、架線工事を一貫して施工できる体制をとっている点だろう。同社はそうした背景のもと、技術的にも、人員的にもスーパーゼネコンでもできない特殊工事分野を担っているのだ。
もちろん技術面とともに、最も優先しているのが「安全第一主義の徹底」だ。高所作業を伴うという点で「かなり危険な仕事」というイメージが定着しているが、近年は機械化の進展や安全設備の充実で、一般土木の技術者が現場に来ると、「こんな安全設備があるとは思わなかった」と驚くといったエピソードがあるほど。とはいえ、同社では「万が一」を失くすため、常に現場の声を反映した安全対策を実施している。

中央区清川2丁目の本社社屋

新中計で次代の人材育成と働き易い職場づくりを推進

近年は電力会社の安定供給策のもと、北九州幹線や脊振鳥栖線の新設工事に加え、高経年設備の点検・改修工事が増加し、売上高100億円台をキープしている同社。だが、取り巻く経営環境はやはり不透明だ。そうした環境変化に対応すべく始動した「第5次中期経営計画」では、①事業収益性の向上②お客さま第一主義③安全への取り組み④社会への貢献・法令順守⑤人材・組織の機能向上、の5点を掲げている。
特に「人と技術で未来を築く」を企業理念とする同社が力を入れるのが『人材・組織の機能向上』だ。施工を管理する立場である九建社員に対しては、専門技術・知識を有する人材の確保、養成、スキルアップを図り、国家資格取得の支援を推進。また業界全体として「熟練技能」の後継者不足が深刻な課題となるなか、九建グループ全社挙げて、高度な能力を持った多能工の養成を推進。また、多様な人材が個々の能力を最大限に発揮できるよう、やりがいをもって働ける職場づくりを目指すという。
そうした人と技術の研鑽が、九州送電業界のリーディングカンパニーとして、電力安定供給を支える施工体制をさらに充実させるだろう。「技術の継承・発展、そして強い“新生・九建”」へ向けた挑戦は今始まったばかりだ。

 

企業DATA
【所在地】〒810-0005福岡市中央区清川2-13-6
【TEL】092-523-9123
【FAX】092-523-9127
【設立】1953年7月
【資本金】1億円
【事業内容】送電線建設及び保守工事・他
【年商】118億1,500万円(08年3月期)
【代表者】緒方誠一
【従業員】146人
【出先】(支社)北九州、福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、広島 (出張所)大牟田、佐世保、山口、沖縄(スーパー銭湯)那珂川
【関連会社】㈱共和テクノ、九建架線工事㈱、送電工機㈱、九州電技開発㈱
【URL】http://www.qken.co.jp

採用情報
●募集職種:送電線建設、保守工事における施工管理、土木関連施工管理前記関連測量、設計・研究開発
●応募資格:(技術系)電気、土木を主に理系全般
●採用実績:08年度6人(大学卒3人、高専・専門2人、高卒1人)09年度8人(大学卒4人、高専・専門3人、高卒1人)
●採用予定:10年度3人(大学卒1人、高専・専門1人、高卒1人)
●問い合わせ先:TEL092-523-9123
●担当:総務部人事労務グループ大内田・荒牧

(ふくおか経済EX2009年)