FEATURE

ふくおか経済EX 2012

㈱チヨダ


百年企業に向け存在感増す
九州トップのユニフォームディーラー

九州トップのユニフォーム総合商社として君臨するチヨダは、創業50周年という大きな節目を迎えた。親子3代の継承が着々と進む中、次なる目標である百年企業へ向け、さらなる高みを目指す。

(写真左から)山口 剛弘 取締役社長室長、野田 耕 会長、山口 進 社長。後継者不足に悩む企業が多い中、親子3世代に渡る承継で100年企業への礎を着々と築く

昨年は夏の周年記念祝賀会のほか、秋には十数年ぶりの社員旅行を実施するなど、創業50周年という大きな節目を祝い、目指す百年企業に向け会社の結束力を一層強めた同社。特に創業者である野田耕会長、山口進社長、そして次期後継者として期待される山口剛弘取締役という3世代に渡る志の継承は着々と進んでおり、永続的な企業の発展に向け、盤石な体制を築いている。

真のプロフェッショナル育成へ

「これからもユニフォームを基軸に快適な職場環境を創造することでお客様の発展に貢献していくことに変わりはない。この存在意義を再確認し、全社一丸となってこれからの50年を邁進したい」と今後に向け、力強く抱負を語る山口社長。その飛躍を支える重要なファクターとして位置付けているのが社員教育だ。
取引先業種の増大に伴い、今では販売種目が事務服や作業服だけでなく、白衣、介護服、看護服などのメディカル分野から、飲食店や警備服、ゴルフ場のキャディ服まで多岐に渡る。それだけに常に顧客に最適な提案をするためには、まず各業種の職場環境を熟知した上で、ユニフォームのデザインや素材が持つ機能性がその職場や仕事の用途に適しているかどうか、さまざまな角度から専門知識を習得しておくことが不可欠となってくる。
この対策として今期から力を入れるのが研修制度の充実だ。定期的な勉強会に加え、合宿形式の本格的な研修も実施するなど、ユニフォーム専門業者として社員のさらなるスキルアップを図っている。「顧客の要望に応えるのは当たり前。それにプラスαがあって、初めて100%のCSを提供できる」と常に口にする山口社長。ユニフォームのプロとしての自覚と飽くなき探求心、こうした姿勢がこれまで多くの顧客の信頼を勝ち得た要因なのかもしれない。

商品課やショップのスタッフも参加した全体朝礼を毎日実施。より良いサービスを提供するために密な情報共有を図っている

見直される“ユニフォーム力”

過去にはバブル崩壊による企業倒産や、経済環境の悪化を背景とする経費削減の一環で制服の自由化や廃止が相次ぐなど、市場全体を揺るがす事態にも直面したユニフォーム産業。それでも「企業人として無くてはならないアイテム」という強い信念のもと、同社は企業努力と豊かな発想力で、その都度新たな活路を見出してきた。その甲斐あってか、仕事へのモチベーションアップ、連帯感、帰属意識、そして企業広報ツールなど、最近ではユニフォームの持つさまざまな「力」が再評価されている。
その一方で、昨今は縫製の最大拠点である中国での著しい賃金上昇や綿花高騰による製造原価の上昇や、縫製工場の倒産などによる生産能力の減退で、中小零細企業の多いユニフォーム業界では納期が遅れるといった由々しき問題も起こっている。そんな中、同社は九州ナンバーワンの取引実績を持つスケールメリットとネットワークを生かし、安定的な製品供給を実現。加えて「納期トラブル解消委員会」の発足や、あらゆるニーズに迅速に対応すべく営業活動のマニュアル化を推進するなど、徹底的に“納期トラブル ゼロ”を追求している。
「目指すは究極のユニフォーム業者」と言い切る山口社長。同社がその高い志を持ち続けている限り、自然とその輪郭がかたどられていくに違いない。

◀︎本社ビル
南警察署そばにある本社ビルの1階には、九州では珍しいユニフォームショップ(写真下)があり、白衣、飲食、事務服などを展示している

 

企業DATA
所在地 〒815-0032 福岡市南区塩原2-7-5
TEL 092-562-1221
FAX 092-562-2511
URL http://www.chiyoda-jp.com
創業 1961年8月
設立 1972年10月
資本金 1000万円
事業内容 企業ユニフォームの卸売・小売・レンタル
年商 13億円(11年07月期)
従業員 37人
出先 (支店)北九州、久留米、飯塚

(ふくおか経済EX2012年)