FEATURE

ふくおか経済EX 2011

㈱ジャパンシーフーズ


タイ、イカ明太、サバなどコラーゲン茶漬の素5種類を発売

(写真)4月に発売するコラーゲン茶漬けの素シリーズ

茶漬けギフトセットを発表

新鮮なアジの刺身と、プルプルのマリンコラーゲンで固められた出汁が人気のアジ茶漬けの素「ごまあじ茶漬」。ご飯の上に茶漬けの素を載せて、お湯を注ぐと、魚の旨味とこだわりのタレ、ゴマやシソが溶け出し、中からアジの刺身が現れる。乾燥材料を使用した茶漬けの素とは一線を画し、手軽に本格的な鮮魚茶漬けを食べることができると一昨年9月の発売以来、忙しい女性や量販店などから高い評価を受けている。
「もっといろいろな種類の鮮魚茶漬けが食べたい」という消費者の声を受け、昨年4月には「うなぎ茶漬」を発売。今年4月中旬には「いか明太茶漬」「鯛茶漬」「真さばごま茶漬」を発表し、5種類の茶漬けシリーズが出揃う。またギフト・土産用に、茶漬けの素セット(6個入り:鯛茶漬2個・ごまあじ茶漬4個、詰め合わせ自由のバラエティセット等)で、自社HP や食品専門店、土産物売り場で販売していく。井上社長は「博多の新鮮でおいしい鮮魚を全国で味わってほしい」と、保冷パックで新鮮さを保ち全国に配送している。

営業力に力を入れ2015年で売上50億円目指す

「従業員に夢を持って働いてもらいたい。そのためには常に会社は発展し続けなければならない」と、2015年は売上倍増の50億円、2020年で100億円を目指し、商品開発や販売店の拡大など日々挑戦し続けている。今後は中国など海外進出も視野に入れ、井上社長は上海万博の際も視察を兼ねて現地を訪問した。「アジアで日本食のニーズが高まっている。当社の取締役を務める趙清斌営業部長は中国の出身。信頼できるネットワークもある」と前向きな姿勢を見せる。
「当社は鮮魚加工食品をつくると同時に、人財をつくっている」と胸を張る井上社長。創業25周年を迎えたのを機に、昨年コンサルティング会社2社と契約。人材教育と組織改革を進めている。仕事を通じて従業員が自己実現できるよう、全従業員を3日間、泊まりがけの研修プログラムに定期的に参加させている。「皆、みるみるうちに、やる気に満ちた顔になり、見違えるようになって帰ってくる。今後の成長が楽しみだ」と目を輝かせる。

「食の安全安心は私たちが守ります」と笑顔の食品研究室スタッフたち

食の安全を守り、高品質な鮮魚加工品を開発する食品研究室

同社が続々と自社開発商品を発売し、新鮮で安全な魚を全国に届けることができるのは、鮮魚の可能性をあらゆる角度から研究する福岡市東区社領1丁目の「食品研究室」の努力があるからだ。
平均年齢26歳と若い女性スタッフ5人が所属する研究室では、鮮魚というデリケートな食材を取り扱う同社が安全安心の食を消費者に提供できるよう、厳しい品質管理を徹底している。加工工場(同区箱崎ふ頭5丁目)の製造工程から商品に至るまで、一般生菌・大腸菌の数を検査し、手洗いや器具洗浄など衛生管理マニュアルや製造マニュアルを作成し、現場に指導している。「現場の実情とかけ離れたマニュアルを徹底しては、業務に差し支える。製造スタッフにとっても衛生面からみても最良の管理体制を随時提案している」。化学的保存薬品などを使用せずに、鮮魚を全国に届け、食の安全を保ち続けているのには、こうした日々の研究があって初めて成立するのだ。
新鮮な魚を質を落とさず全国に届けるには、加工時に、いかに空気に触れる時間を少なくするかが重要だという。同社は鮮魚を加工し始めてから真空パックするまで長くても20分間と定め、3枚下ろしや魚皮を除去する装置を導入し、機械化を進めてスピード加工することにこだわっている。しかし、細かい骨など、機械では手の届かない部分をヒトの手による熟練した技術で手早く加工することで、新鮮かつ手軽に鮮魚を食べられるという消費者ニーズに叶った商品の提供を可能にしている。
創業20年余りで全国の量販店500社と取引し、売上高23億円を突破するほどの鮮魚加工メーカーに成長した同社。「日本一の鮮魚加工メーカーに育てたい」と“ジャパンシーフーズ”という社名を付けた。「今後も魚の無限の可能性を探求し、時代が求める鮮魚加工品をつくっていきたい」と抱負を語った。

井上 幸一 社長
いのうえ・こういち/福岡市出身、1948年8月19日生まれの62歳。福岡大学法学部を卒業後、父親が経営する鮮魚小売業㈱天龍に入社。77年に同社百貨店内店舗店長を務め、女性の社会進出に伴う鮮魚加工食品の必要性を確信し87年に同社を創業。趣味は読書とゴルフ

 

企業DATA
所在地 〒811-1302 福岡市南区井尻5-20-29
TEL 092-593-7662
FAX 092-593-7663
創業 1987年9月
設立 1987年7月
資本金 5,000万円
事業内容 生食用アジ、サバ、シメサバ加工卸、茶漬けの素各種
年商 23億円(10年8月期)
代表者 井上幸一(いのうえ・こういち)
従業員 150人
出先 (工場)福岡市東区箱崎ふ頭5-9-29(食品研究室)同区社領1-11-9 (営業所)関東、名古屋、大阪
URL http://www.jp-seafoods.com

採用情報
募集職種 営業
応募資格 大学卒・大学院卒
採用実績 10年度4人 11年度5人
採用予定 12年度3人
問合せ先 TEL (本社)092-593-7662
担当 井上 郁子

(ふくおか経済EX2011年)