FEATURE

ふくおか経済EX 2010

㈱サニックス


住宅用太陽光発電システム事業の主力化にシフト

5事業本部制に組織改編

今年2月、総合衛生管理の㈱サニックスは、従来のHS(ホームサニテーション)事業本部、ES(エスタブリッシュメントサニテーション)事業本部、環境資源開発事業本部の3事業本部に加え、「太陽光発電システム事業本部」、「有機廃液処理事業本部」を新設。5事業本部体制とした。

販売店制度で太陽光発電の拡大を

「太陽光発電システム事業本部」は、新年度の最重点項目として取り組んでいる一般戸建て住宅用太陽光発電システム販売事業を統括する。本部は東京に置いて、現在販売店網の構築を手掛けている。「販売店募集には2,000件ほどの応募があり、6月までには1,000店を超える販売店網ができる見通し」(宗政伸一社長)だ。
新規顧客に関しては太陽光発電システム事業本部が統括し、直接的には今回募集している販売店が開拓していくことになるが、同社の持つ約30万件の既存顧客についてはHS事業本部が直接販売する。昨年秋に事業をスタートして以来、既存客を中心にアプローチをしているが、2月末までの契約実績は当初目標を下回っている。
昨年11月から2020年度まで住宅用太陽光発電の電気を従来の2倍の48円/kWhで買い取ることが電力会社に義務付けられたことや、住宅用太陽光発電システム設置に対する国の補助金、加えて福岡市のように自治体が独自に支給する補助金などが一般への太陽光発電システム普及を後押ししているが、同社の宗政伸一社長は「自治体の補助金が逆に現時点での契約の伸び悩みに要因にもなっている」と分析する。
太陽光発電システム販売をアプローチしている中で、真剣に検討している顧客ほど収支のシミュレーションにもシビアで、特にそういった層が、自治体の補助金が新年度の4月以降継続するかどうかを見極めているケースも多いということのようだ。
逆に4月以降はそうした案件がまとまってくる可能性が高く、「新年度に入ってからが本番」といった様相になっている。

「特販部」で産業用にも対応

この動きに合わせて、ここ半年ほどで電気工事士を100人ほど中途採用している。現場での設置工事に備えてほぼ全営業所に配置しているが、今後は販売店が受注する工事も出てくることから、さらに人員を増強していくという。
また今回の組織改編でHS事業本部内の特別販売課を「特別販売部」に昇格。従来、JA等との業務提携により、一般家庭に対して既存商品を販売してきたが、これに加え、産業用の太陽光発電システム販売も担当。企業や公共の入札などにも積極的に参加していく意向で、家電量販店へのアプローチやハウスメーカーとの連携なども模索している。
同社が扱う太陽光発電システムは韓国製で、価格的には国内メーカーの商品よりも競争力があり性能的にも劣らないが、宗政社長は「最近では他の商品も価格を下げてきており、半年後くらいにはわれわれと同程度のプライスの商品が出てくる可能性がある」と予見。その間にマーケットを構築してさらに安い価格を実現し、シェアを獲得していきたい考えだ。
さらに「われわれの対象としているのは富裕層ではなく一般家庭。安いといっても太陽光発電システムは100万円以上の“投資”でもある。お客さまには、太陽光を付けてCО2削減に貢献したいという思いもあるが、初期投資分が売電でどのくらい賄えるかなど、収支が成り立つかどうかが重要で、逆にそこをきちんと提示できるようになると飛躍的に普及していくだろう」と宗政社長は、新事業の成否においてその価格が大きなファクターであることを強調する。

有機廃液処理は「攻め」の体制に転換

有機廃液処理事業本部は、今回環境資源開発事業本部から独立したが、一昨年秋のリーマンショック以降、食用廃液の、食品メーカーや外食産業などからの排出が減少している。新年度からは、その開拓を強化する新しい事業としてスタートする。具体的には「待ち」から「攻め」に転換して能動的に動いていく構えだ。
既存の各事業でも新年度に向けた取り組みが始まっている。HSは、シロアリ駆除、床下換気など主軸事業に加え、先述の通り既存顧客への新商品として太陽光発電に力を入れ、ESは昨年、事業所網の整理を実施して収益性重視に転換しており、今後新規顧客の開拓に努めていく。
環境資源開発は有機廃液処理事業が独立したことで、廃プラ燃料製造および廃プラ発電という一つの流れにまとまった。現状、業績は好転して09年度後半は黒字化。廃プラ燃料の取扱量も増加して外部への販売も始まっている。宗政社長は「廃プラ燃料はカロリーも高く、重油や石炭などに比べて安いことが魅力。また廃プラ発電も順調に稼働しだしているので、新年度は恒常的に収益を生む事業に仕上げるための重要な年になる」と期待を寄せている。

宗政 伸一 社長
むねまさ・しんいち/長崎県佐世保市出身。1949年12月16日生まれの60歳

 

企業DATA
所在地 〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2-1-23
TEL 092-436-8870
FAX 092-436-8871
創業 1975年4月
設立 1978年9月
資本金 140億4,183万円
事業内容 総合環境衛生管理
年商 252億3,300万円(09年3月期連結)
代表者 宗政伸一社長
従業員 1,510人
出先 HS(一般家庭向け)部門7地区本部63
拠点、ES(法人向け)部門12拠点、環境資源開発部門16工場
関連会社 ㈱サンエイム、㈱エネルギー総合開発研究所、㈱サニックスエナジー、㈱サニックス・ソフトウェア・デザイン、㈱C&R
URL http:// sanix.jp

(ふくおか経済EX2010年)