FEATURE

ふくおか経済EX 2012

㈱サニックス


太陽光発電分野をさらに展開、
新会社で大規模システムも視野に

太陽光発電システム販売への参入から3年。昨年からは、中国でのソーラーパネル自社製造がスタート、今年初頭に発足した新会社では、7月の全量買取開始で需要増が見込まれる、公共・産業用向けの太陽光発電システムの販売体制を整備している。

(写真)「守る自然、残す自然」の㈱ヤマキ本社工場(埼玉県)に設置された太陽光発電システム(約120kW)

大規模太陽光発電システム販売の新会社が発足

サニックスでは、平成21年秋に販売を開始した太陽光発電システム販売が、主力商品に育っている。一般住宅のエンドユーザーに直接販売する形態からスタートし、翌年1月には、販売店による卸販売を導入。さらに同年7月には、集合住宅への販売にも参入するなど、徐々に販路を拡大してきた。2年半を経て、現在約8,000件の実績を築いているが、最近では産業用太陽光発電の相談案件も増えてきていると言う。
そこで、今後はさらに規模の大きな太陽光発電システムの販売にも本格参入すべく、今年1月、公共・産業用太陽光発電システムに対応する新会社、㈱サニックスエンジニアリングを設立した。今年7月からスタートする再生可能エネルギーの全量買取制度をにらんだもので、官公庁や比較的大規模の工場を持つ企業に、施設の屋上や屋根を利用した太陽光発電を提案していく。
新会社では、メガソーラーを設置しての発電・売電事業も視野に入れているが、全量買取の料金が未定であることや、既存の送電線までの距離によって採算ラインが変わってくるなど不確定要素も大きい。状況に応じて舵を取れるよう、準備を進めているところだ。
また、太陽光発電市場においては、海外企業の新規参入が増加し、低価格化が進んでいる。価格競争が激化する中、同社では中国・上海市にソーラーパネルの製造工場を設置し、昨年末から本格的に自社生産を始めた。低コスト製品の投入により、同社の販売コンセプトである「いいものをより安く」を維持する構えだ。

太陽光発電を軸に新年度も増収増益目指す

平成23年度は、東日本地区における太陽光発電システムの卸販売がやや伸び悩み、売上高予想を下方修正しているが、上海工場の稼働で利益率の高い商品が市場に出始めたこともあり、利益予想の下げ幅は圧縮できる見通しだ。
太陽光発電システム販売は、卸販売が苦戦する一方、一般家庭を対象とするホームサニテーション(HS)部門の主要販売形態である、西日本地区における直販は好調に推移している。人員も少しずつ増やしてきており、販売の状況を見ながら、増員のペースも上げていきたい考えだ。
ビル・マンションなどを対象とするエスタブリッシュメントサニテーション(ES)部門も、集合住宅向けの太陽光発電システム販売が徐々に伸びており、今後も拡大が予想される。
また、環境資源開発部門で取り組んでいる廃プラ発電事業は、一時送電のトラブルもあったが、運転状況、売電価格ともに収益レベルに上がってきている。廃プラ燃料販売においても、さらなる燃料品質の向上に努め、拡大を図る。
新年度に向けて宗政社長は、「目標はもちろん増収増益。10年来取り組んできた廃プラ発電の収益改善が鮮明になってきた。また、太陽光発電は、自社工場の低コスト商品が期初から投入できるので、販売量自体も増えていくだろう」と見通しを語る。二つのエネルギー事業の積極展開により、成長路線への転換を図る考えだ。

㈱清興運輸(福岡県志免町)の倉庫に設置された太陽光発電システム(約50kW)

 

企業DATA
所在地 〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2-1-23
TEL 092-436-8870
FAX 092-436-8871
URL http://sanix.jp
創業 1975年4月
設立 1978年9月
資本金 140億4,183万円
事業内容 総合環境衛生管理
年商 289億7900万円(2011年3月期連結)
代表者 宗政伸一
従業員 1,590人(2011年3月現在)
出先 HS(戸建て住宅向け)部門7地区本部63拠点、太陽光発電システム卸販売6拠点、ES(法人・事業主向け)部門13拠点、産業廃棄物処理・リサイクル部門15工場
関連会社 ㈱サンエイム、㈱エネルギー総合開発研究所、㈱サニックスエナジー、㈱サニックス・ソフトウェア・デザイン、㈱C&R、㈱北海道サニックス環境、善日(上海)能源科技有限公司、㈱サニックスエンジニアリング

(ふくおか経済EX2012年)