FEATURE

ふくおか経済EX 2009

㈱カンサイ


『10年計画』5年目、
原点に戻りグループ5社体制で“着実”な成長を

10期連続の増収で07年度(08年3月期)の単体売上高が200億円を突破した電設資材卸売の九州最大手、㈱カンサイ。08年度は前年の建築基準法改正による新規着工減や建設・不動産不況の影響でさすがに停滞を余儀なくされたものの、将来を見渡せば、オール電化商品や太陽光発電システム、LED照明、燃料電池など、そのフィールドはますます広がろうとしている。
創業以来の大改革『10年計画』5年目を迎えた09年度も厳しい環境に変わりはないが、忍田勉社長は「販売会社としての原点に戻り、本業の電材卸を中心に細かなことを着実にこなすとともに、常に新しい領域に挑戦していきたい」と前を向く。今年3月23日には、大手電線卸商社の昭和電気㈱(大阪市北区)とその関連会社から九州地区の電材部門の販売営業権を譲り受け、新会社「九州昭和㈱」も設立。『10年計画』の着実な遂行と、カンサイグループ5社の総合力をさらに生かした展開で、新たな成長の軌跡を描く。

営業所ネットワークを着々と拡大、『10年計画』で九州100拠点構想

忍田社長が就任した95年当時は売上高が115億円ほどにすぎなかった同社だが、98年度以降の10期連続増収で200億円を突破した。その間も経営環境は決して良好とは言い難く、むしろ厳しかったが、振り返ると常に次を見据えた布石を打っていることに気付く。
05年度から開始した『10年計画』はまさにその1つで、とりわけ、その柱に据える九州100拠点構想による、きめ細かなサービス体制の充実は同業では例を見ない取り組みだ。約3,000社と取引し、それまでも福岡県内15カ所をはじめ九州に23カ所の営業所を配置していたが、シェア25%程度を握る福岡以外の地区はまだまだ開拓の余地が多かった。その上で、「それこそ倉庫として使ってもらうような、もっと顧客に身近な存在に」という発想のもと、積極的な営業所展開に着手した。
05年度に熊本北、長崎、唐津の3営業所、06年度に八女営業所を開設すると、07年度には大分県内初となる大分営業所を新設し、九州全県を網羅した。08年度も筑豊地区2カ所目となる「田川営業所」(田川郡川崎町)を開設。今後も空白エリアへの拠点開設で点から線へ、線から面へと営業ネットワークを確実に広げていく方針だ。
もちろん無茶な急拡大を図っているわけではない。忍田社長は「100拠点構想は空白エリアのシェアアップだけでなく、所長ポストの増設で若手も登用していき、社員の意欲向上と社内の活性化を図るのが狙い」と説明する。実力が備われば、20〜30代でも営業所長ポストに就け、「権限と責任」を持たせることで、個人の成長を促し、会社もまた成長していこうという布石なのだ。

毎年7月に3日間開催する共創展「カンサイフェア」。昨年は過去最高の1万7000人が来場

電材卸での50余年の実績もとに“住宅・ビル設備の総合商社”へ

また将来への布石の1つとして、大きかったのが、“住宅・ビル設備の総合商社”への飛躍を掲げた02年3月の社名変更だ。
“電気設備資材”のイメージが強かった「関西電業㈱」からの社名変更で、半世紀にわたる電材での経験と実績をベースに“住宅・ビル設備の総合商社を目指す”方向性を内外に示すと、実際に大手住宅設備機器メーカーと相次ぎ代理店契約を締結。さらに05年10月には「住設事業部」を新設し、翌年6月に同事業部の独立した事務所を博多区南八幡町に設けて本格稼働した。現在では、東京や福岡を中心に受注先を拡大し、キッチンや空調機器からオリジナルキッチン、家具・建具までを納入している。今後は、電材部門との情報の流通を図り、主力の電材に続く柱に育成していく方針だ。

新会社「九州昭和㈱」設立さらにグループの総合力強化

一方で、カンサイグループの総合力強化にも力を入れている。昨年50周年を迎えた配電盤・分電盤製造の三葉電機工業㈱は07年1月に大阪営業所を開設し、11月には新本社屋が完成するなど、業容を拡大。昨年2月に忍田社長が社長を兼務するようになって初の決算(08年11月期)では増収を維持するとともに過去最高益を更新した。また防災関連工事などの㈱ロッコウアトム(旧㈱アトム)は、07年7月に電話工事の六興電設㈱との合併により、100ボルト以下の弱電工事をすべて自社施工可能になり、業績も予想を上回って伸張。昨夏にはカンサイ小倉営業所内に北九州出張所を設け、さらなる業容の拡大を図っている。一方で、06年3月にグループ入りした電設資材卸売の㈱日進商会(北九州市小倉北区)もカンサイの指導の下、早々と再建に道筋をつけ、収益力を高める態勢に入った。
この3社に加えて、今年3月23日付で、大手電線卸商社の昭和電気㈱(大阪市北区)とその関連会社・SK電販㈱から九州地区における電材部門の販売営業権を譲り受け、新会社「九州昭和㈱」を設立。北九州・八幡本社と福岡支店の2拠点体制で営業を開始した。もともと黒字部門だったものの、昭和電気の「事業の選択と集中」政策に伴い譲受した形だか、カンサイグループにとって電材部門のシェアや収益力のアップにつながるだろう。
『10年計画』5年目の09年度も「今まで以上に人材育成など足元を固めるとともに、新しいチャレンジをしていく」という忍田社長。新たなグループ5社体制による、着実な歩みにより、さらに大きな成長の軌跡を描こうとしている。

忍田 勉 社長
1948年9月16日生まれ。奈良県大和郡山市で生まれるも1歳時に福岡市に。県立修猶館高校卒—明治学院大学法律学部卒。74年関西電業㈱(現㈱カンサイ)入社。95年2代目社長に就任。趣味はゴルフ(HC20)と仕事

 

企業DATA
【所在地】〒812-0007福岡市博多区東比恵3-32-15
【TEL】092-481-9100
【FAX】092-474-8365
【創業】1948年4月
【設立】1954年3月
【資本金】9,600万円
【事業内容】電設資材・住宅設備機器・環境システム商品・他の卸売
【年商】214億400万円(08年3月期)
【代表者】忍田勉
【従業員】200人
【出先】(営業所・事業部)九州全域32カ所、東京1カ所
【関連会社】三葉電機工業㈱㈱ロッコウアトム㈱日進商会九州昭和㈱
【URL】http://www.kansai-dengyo.co.jp

採用情報
●募集職種:営業(ルートセールス)・技術営業
●応募資格:全学部・全学科
●採用実績:08年度20人(大卒17人、専門学校卒3人)、09年度17人(大卒15人、短大卒2人)
●採用予定:10年度15~20人(大学・短大・専門学校卒)
●問い合わせ先:TEL092-481-9100
●担当:本社総務部田村

(ふくおか経済EX2009年)