FEATURE

ふくおか経済EX 2011

㈱カンサイ


地域販社設立し、鹿児島に本格進出
グループの総合力結集し“攻めの経営”へ

2002年3月に“住宅・ビル設備の総合商社”への飛躍を掲げて社名変更し、新領域に挑戦し続けている電設資材卸売の九州最大手、㈱カンサイ。1998年度から10期連続増収を達成していた同社も、08年のリーマン・ショックを発端とする建設不況の影響で減収を余儀なくされたが、10年度(11年3月期)売上高は3期ぶりの増収となる売上高197億円を見込むなど復調傾向だ。
「業界環境は決して改善していない中、既存営業所が販売会社の原点に戻り、細かいことを着実に頑張ってきた結果」と評する忍田勉社長。昨年12月には、約2年ぶりの新拠点となる佐世保営業所を開設。今年4月には、鹿児島市に電設資材卸売の地域販売会社、㈱カンサイ南九州社を設立するなど、本来の“攻めの経営”を取り戻した。
11年度も依然として業界環境は不透明なものの、将来を見渡せば、オール電化商品や太陽光発電システム、LED照明、燃料電池など、そのフィールドはますます広がっている。「グループ7社体制となった今、これまで以上に総合力を結集し、そのシナジー効果を発揮していきたい」という忍田社長のもと、“住宅・ビル設備の総合商社”としての可能性をさらに追求する。

佐世保営業所、鹿児島販社を新設し営業ネットワーク着々

忍田社長が就任した95年当時は売上高が115億円ほどにすぎなかった同社が、200億円規模にまで大きく成長したのは、販売会社の原点という「細かいことを着実に」やってきたからにほかならない。それを可能にしたのが、地域に密着した営業所の展開だ。創業以来の大改革として05年度から開始した『10年計画』でも、その大きな柱の1つに、同業では例を見ないきめ細かな営業所網の構築を掲げている。
電気工事会社など約3,000社と取引し、それまでも福岡県内15カ所をはじめ九州に23カ所の営業所を配置していたが、シェア25%程度を握る福岡以外の地区はまだまだ開拓の余地が多かった。その上で、「それこそ倉庫として使ってもらうような、もっと顧客に身近な存在に」という発想で、05年度以降は熊本北、長崎、唐津、八女、大分、田川に営業所を相次ぎ開設。昨年12月には長崎県内4カ所目となる佐世保営業所を新設し、同県内でのネットワークを完成させた。
さらに、これまでグループの三葉電機工業㈱の営業所内に「軒を借りていた」鹿児島に、今年4月100%出資の地域販社、㈱カンサイ南九州社を設立し、本格進出する。鹿児島での本格展開にあたって、この2年間、先頭に立って川上・施主への営業強化に取り組んできた忍田社長は、「トップがより権限と責任を持って、地域に溶け込める形」として、分社化を決断。社長以下6人体制で、ほぼゼロから初年度売上高5〜6億円を目指す。今後も新たな手法も活用しながら同社営業網を点から線へ、線から面へと結んでいく方針だ。

節目の30回目だった昨年の「共創展・カンサイフェア」は来場者、売上高とも過去最高に

“設備の総合商社”として拡大

同社の成長要因をひも解くと、営業所展開だけでなく、常に将来への布石を打つ新領域に挑戦してきたことが分かる。とりわけ分岐点となったのが、“住宅・ビル設備の総合商社”への飛躍を掲げた02年3月の社名変更だ。
“電気設備資材”のイメージが強かった「関西電業㈱」からの社名変更で、半世紀にわたる電材での経験と実績をベースに“住宅・ビル設備の総合商社を目指す”方向性を内外に示すと、実際に大手住宅設備機器メーカーと相次ぎ代理店契約を締結。さらに05年10月には「住設事業部」を新設し、翌年6月に同事業部の独立した事務所を博多区南八幡町に設けると、東京や福岡を中心にキッチンや空調機器からオリジナルキッチン、家具・建具などの納入実績を重ねていった。
その住設事業部は、同社が子会社化した住宅リフォーム会社、㈱木の家しんこうと09年10月に統合し、「㈱カンサイしんこう」として、成長性が高いリフォーム市場を含めた拡大を期している。

グループ7社で相乗効果発揮へ

カンサイグループ7社体制となった同社は、その総合力による飛躍を期している。カンサイ本体に次ぐ、50年余の業歴と売り上げ規模を誇る配電盤・分電盤製造の三葉電機工業㈱は、07年1月に大阪営業所を開設し、同11月には新本社屋が完成するなど、業容を拡大。また、100ボルト以下の弱電工事をすべて自社施工できる㈱ロッコウアトムは、近年需要が拡大している太陽光発電システムでも、その施工能力を発揮している。このほかM&Aでグループ入りした、本体と同業の㈱日進商会(北九州市小倉北区)や九州昭和㈱(同市八幡西区)もそれぞれ切磋琢磨し、グループとしてのシェア拡大に寄与している。
さらに7社目として新たに加わった鹿児島の地域販社、㈱カンサイ南九州社は、将来的な“持ち株会社化”も頭に描く忍田社長にとって、単に鹿児島でのシェア獲得だけでなく、今後の拠点展開のケーススタディにする狙いもある。もともと営業所増設も「人材があってこそ」と言い、実力が備われば、20〜30代の若手でも営業所長ポストに登用し、社員の意欲向上と社内の活性化を図ってきた。これを、「鹿児島をモデルに地域販社を増やし、営業所長以上の“権限と責任”を持つ社長を任せていければ、さらに個人の成長を促し、会社もまた成長していけるのではないか」とカンサイグループの未来図を描く忍田社長。昨年4月からは、3カ月毎のグループ社長会も開始。さらに社長間のつながりを密にし、シナジー効果を最大限発揮させていくつもりだ。

忍田 勉 社長
おしだ・つとむ/1948年9月16日生まれの62歳。奈良県大和郡山市で生まれるも1歳時に福岡市に。県立修猶館高校卒—明治学院大学法律学部卒。74年関西電業㈱(現㈱カンサイ)入社。95年2代目社長に就任。趣味はゴルフ(HC20)と仕事 

 

企業DATA
所在地 〒812-0007 福岡市博多区東比恵3-32-15
TEL 092-481-9100
FAX 092-474-8365
創業 1948年4月
設立 1954年3月
資本金 9,600万円
事業内容 電設資材・住宅設備機器の卸売
年商 191億円(10年3月期)
代表者 忍田勉
従業員 200人
出先 (営業所・事業部) 九州全域33カ所、東京1カ所 関連会社 三葉電機工業㈱ ㈱ロッコウアトム ㈱日進商会 九州昭和㈱ ㈱カンサイしんこう ㈱カンサイ南九州社
URL http://www.kansai-dengyo.co.jp

採用情報
募集職種 営業(ルートセールス)・技術営業
応募資格 全学部・全学科
採用実績 10年度15人(大卒10人、専門学校卒5人) 11年度15人(大卒15人)
採用予定 12年度15~20人(大学・短大・専門学校卒)
問合せ先 TEL 092-481-9100
担当 本社総務部 田村

(ふくおか経済EX2011年)