FEATURE

ふくおか経済EX 2014

㈱ふくや


海外展開も加速、明太子の食文化を提案

(写真右上)博多の食と文化の博物館・ハクハク
(下)大好評の「tubu tube(ツブチューブ)」。左からスパイシーハバネロ、スパイシーブラックペッパー、オリーブバジル風味、オリーブオレガノ風味、ゴマ油風味、レギュラー、マイルド

博多を代表する味として全国で親しまれている「辛子明太子」の創業メーカー・ふくやでは昨年、創業者・川原俊夫氏の生誕100年を記念して数々の新商品を発売、博多の食と文化の博物館など様々なプロジェクトを展開している。今年3月には中国・香港に和食店をオープンするなど新しい動きも出てきた。

プロジェクト商品の「辛皇〜ホットエンペラー」と「百代の過客(はくたいのかかく)」

ツブチューブの累計販売数が10万本を突破

食べた瞬間、口の中にオリーブバジルやオリーブオレガノ、ゴマ油などの新鮮な風味がはじける!粒タイプの明太子「tubu tube(ツブチューブ)」が好評だ。ふくやの創業者である川原俊夫氏の生誕100年を記念してスタートした新商品プロジェクトの第3弾商品として昨年1月に発売。以来、スパイシーハバネロ味やスパイシーブラックペッパー味などバリエーションも7種類に増え、累計販売数も10万本を突破した。
ごま油やオリーブ油は、明太子と和えると非常に美味しく相性が良いが、油の酸化等の問題で、これまでは商品化が困難だった。tubu tubeは、ごま油やオリーブ油の良好な風味を閉じ込めた調味カプセルを使用することで課題を解決。パスタソースやドレッシング、丼物のアクセントなど様々な料理のアレンジが可能になる逸品だ
生誕100年プロジェクトでは、このほかにも辛さへのこだわりをとことん突き詰めた明太子「辛皇〜ホットエンペラー」やスケトウダラの原卵にこだわった逸品「百代の過客(はくたいのかかく)」などを発売。さらに昨年4月には福岡・博多の食や文化が体験できる「博多の食と文化の博物館・ハクハク」をふくやの工場内に開設。「見る」「学ぶ」「触れる」「体験する」「食べる」「買う」と、様々な知的体験を通じて博多の食と文化を楽しめる施設として多くの人が訪れる。

次々にパック詰めされる「味の明太子」

創業者・川原俊夫夫婦の感動ドラマ「めんたいぴりり」

昨年夏、テレビ西日本の開局55周年記念ドラマとして、明太子をつくった男〜ふくや創業者の川原俊夫と妻・千鶴子をモデルにした笑いあり、涙ありの生きざまを描いた感動の物語「めんたいぴりり」が放映された。地方の一食料品店に過ぎなかった「ふくや」が生み出した明太子は、今や全国の誰もが知る博多の名産品として定着した。その誕生までの試行錯誤、生みの親・川原俊夫の生きざま、そして経営哲学を社員第一号である息子の川原健ふくや相談役が綴った「明太子をつくった男〜ふくや創業者・川原俊夫の人生と経営〜」が原作。放映以来、各所で評判となり、ATP賞やギャラクシー賞の奨励賞などを受賞するとともに、全国ネットのフジテレビをはじめ各地方局で続々と放映された。
昭和23年10月5日、戦災で焼け野原になった博多の街に少しずつ復興の兆しが見えはじめていた博多・中洲市場の一角に誕生した小さな食料品店「ふくや」。今では辛子明太子の創業メーカーとして製造から販売まで「安心・安全の品質」を徹底するとともに、良いものをより安く提供できる「直営販売方式」を貫いている。
昨年4月にはシンガポールに現地法人を設立。辛子明太子の通信販売をスタートした。さらに今年3月には中国・香港に明太子料理を提供する和食店「鱈卵屋(たららんや)」を開店。同社では飲食店としては初の海外展開で、明太子を使った食文化の提案および海外販路の拡大を図る取り組みとして注目される。

川原 正孝 社長

 

企業DATA
所在地 〒810-8629 福岡市博多区中洲2-6-10
TEL 092-291-3575
FAX 092-291-2460
URL http://www.fukuya.com
創業 1948年10月
設立 1980年8月
資本金 3,000万円
事業内容 辛子明太子の製造・販売、食品の卸売・小売
年商 150億円(2013年3月期)
従業員 614人(2014年2月現在)

採用情報
同社ホームページをご覧ください。

(ふくおか経済EX2014年)