FEATURE

ふくおか経済EX 2020

マルゼンホールディングス(株)(MARUZEN EXPRESS(株)、マルゼンレックス(株)、マルゼンラボラトリー(株)、マルゼントラスト(株)、マルゼンロジスティクス(株)、(株)丸全開発)


スポーツスポンサーシップで企業価値向上へ

運送事業を中心にグループ6社を統括するマルゼンホールディングス。一般貨物、保冷輸送から資源運搬、倉庫保管業務と各社間の連携により物流事業を網羅したネットワークを構築。今期は地元J2ギラヴァンツ北九州のスポーツスポンサーとしてCSR活動にも取り組み、北九州企業としての認知度、企業価値向上を図る。

本社敷地内の物流倉庫では、雄牛のロゴをあしらったMARUZENトラックが日夜行き交う。
小口から大量輸送まで専属輸送車両を保有し、九州エリアを中心に地域に根付いたネットワークを構築している。トラック保有台数は70台以上。近年のEC業界の拡大は目覚ましく、いかに効率的に物流業務を担えるか、また、質的・量的な拡大が求められる中、同社は配送エリアや取扱貨物の種類、対象荷主(業種)を限定し、中核分野において自社車輌を保有することで積載効率を図った輸配送ネットワークを拡充している。
モノのインフラの中心として2018年に新設した物流倉庫は常にフル稼働状態。「倉庫のシステムや商品の管理態勢として自動化を進めていく」と牛嶋浩人会長。保管・荷役・運送といった全工程を一括して請け負う「3PL」を採用し、輸送サービスに付加価値を高めながら、新たな倉庫用地を探して動きだしている。

J2ギラヴァンツ北九州を応援!

SDGs(持続可能な開発目標)への世界的な関心の高まりによって、近年はスポーツスポンサーシップとなってチームや選手活動をサポートし社会貢献活動に従事するのもトレンドになっている。
同社も創業14年、「現在グループ本部機能は分散するも、北九州の会社であることも周知していく」と今シーズンJ2リーグに昇格したギラヴァンツ北九州の2020オフィシャルパートナーとなった。ミクニワールドスタジアム北九州で開催されるホームゲーム全試合で「MARUZEN GROUP」の横断幕をバッグスタンドに掲げ、関連会社のマルゼンラボラトリーが運営する「博多拉担麺まるたん」を出店している。
まるたんは、拉麺と担々麺を融合した新グルメ「拉担麺」を打ち出し、最近は福岡市西区姪浜や東区香椎に相次いで出店しているが、メニューはスタジアム限定の「特製ギラ丼」を展開。まるたんのPRと北九州にもある店舗への送客を目指し、こうしたビジネスと地域貢献によって社会的信頼を獲得する狙いだ。これを機に地域コミュニティーの活性化につながるイベントへの積極的な参加などCSR活動や協賛活動における経験を効果的に活用し、社会に対する働きかけを進めていく。

企業価値向上で積極採用を

自身のドライバー経験から牛嶋会長は人材獲得だけでなく、今の働き手を逃さない組織づくりにも注力する。労働条件の改善や運送事業においては輸配送先を安易に拡大することはなくエリアを限定。また、ドライバーの安全と快適性を重視した高いレベルの車両を備え、本社内はシャワールームや休憩室、職場環境を整備する。さらに、グループ内異動も可能とし、運送と飲食、関連会社をもつ強みを働き手にも生かした人員配置の適正化を図る。今春「北九州イクボス同盟」に加盟した。仕事と家庭生活の両立、キャリア形成、多様な働き方を推進し、男性比率が多い業界だが、女性採用にも尽力する。従業員の生活や就労基盤により良い変化をもたらすこと、また従業員にポジティブな影響をもたらすことに重きを置く牛嶋会長。事業拡大への執念は消えることはないが、これからは企業価値向上と社会貢献の二刀流で存在感を示す。

牛嶋 浩人 代表取締役会長兼社長
うしじま・ひろと/久留米市出身。1971年9月26日生まれの48歳。山口芸術短期大学卒。広告代理店に勤務しデザイン業務に従事。21歳で大型免許を取得し、23歳で佐川急便のドライバーに。同関連会社勤務を経て独立、「MARUZEN EXPRESS㈱」を設立した。趣味は海や山などへ仲間とツーリング、読書、映画鑑賞

 

採用情報
募集職種/10t・4tドライバー(中途)、事務職(運行管理者・サポート)飲食店接客アドバイザー、保険コンサルティング
採用予定/50人(大型免許資格(ドライバー)、接客業)
問合せ先/TEL.093-562-5151
担当/星本いずみ

(ふくおか経済EX2020年)