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ふくおか経済EX 2020

ファーストライフ(株)


北九州に密着し介護事業拡大
住み慣れた地で快適な住まいを

(写真左上)介護付有料老人ホーム「ラフィーネ」(北九州市小倉南区上葛原2丁目)
(右上)介護付有料老人ホーム「到津の森」(北九州市小倉北区上到津4丁目)
(左下)介護付有料老人ホーム「八重の杜」(那珂川市今光1丁目)
(右下)介護付有料老人ホーム「南王子さくら館」(北九州市八幡西区南王子町)

「主役はお客様の介護・看護を実践する。」を理念に、北九州市内を中心に有料老人ホームを運営するファーストライフ㈱。同社は安心や快適を第一に考えた住まい、医療、介護、予防、生活支援の実践で支持を高めている。昨年開園した「到津の森 別館」は医療ニーズの高い高齢者をはじめ、重度認知症にも対応する。

2004年9月に設立し、翌年に介護付有料老人ホーム「到津の森」を開業して以来、15年間に渡り介護事業を展開してきた。現在、北九州市内を中心に有料老人ホームを5施設運営する同社では、これまでの実績や経験で培った介護施設運営ノウハウや処遇関連等を活用し、人が自ずと集まってくる魅力的な施設運営を目指している。山口社長は「入居者一人一人の家庭状況や人生背景、身体特性などが違うため、法人・職員全体でそのことを深く理解すること。また、日々変化する状況に一期一会の精神で柔軟な対応ができるようサービスの質を向上させることで他と差別化を図っている。また、施設入所を踏み切った本人とその家族に対しての安心感と生活の安定感を提供することも責務である」と語る。
2015年7月に開設した介護付有料老人ホーム「ラフィーネ」は地上7階建てで延べ床面積は4000㎡に及ぶ。「明るく清潔感あふれる施設」をコンセプトに、室内の消臭や抗菌効果が高いとされる可視光応答型光触媒を壁や天井、床に採用。施設では設備の充実はもちろん、四季折々の催事や、書道、カラオケ、足湯、編み物など多彩なサークル活動を実施している。2階には認定こども園「ラフィーネこども園」を設け、入居者からは定期的に園児と交流できるとあって好評だ。また、同施設で働く職員の支援にもつながっている。

(写真上)住宅型有料老人ホーム「到津の森 別館」(北九州市小倉北区上到津4丁目)
(下)認定こども園「ラフィーネこども園」(北九州市小倉南区上葛原2丁目)

新施設は医療ケアが充実

昨年11月、介護付有料老人ホーム「到津の森」隣接地に住宅型有料老人ホーム「到津の森 別館」を開園した。建物はバリアフリー設計の鉄骨3階建てで延べ床面積は約2000㎡。入居定員は35人で要支援から要介護まで幅広く受け入れている。入居費用は経済的負担の少ないプランをそろえ、高額な入居一時金も設けていない。同施設では看護師が日常的に健康チェックや医療相談を行い、インスリン投与や在宅酸素、人工透析など多くの医療ケアに対応している。山口社長は「おかげさまで多くの入居申し込みをいただいている。重度認知症の方の受け皿としても機能させていきたい」と展望する。

障害福祉関連サービスも手掛ける

介護付有料老人ホーム「南王子さくら館」に併設する「相談支援事業所 ファーストライフ」は地域で生活する障がい者やその家族からのさまざまな相談に応じる場だ。必要な情報の提供、助言、障害福祉サービスの利用援助、関係機関との連携調整などを通じて、安心して自立した生活が送れるよう総合的・継続的に支援。また、障がい者ケアマネジメントに基づき「サービス等利用計画」を作成。障がい児については「障がい児支援利用計画」を作成している。
そして、同社は「南王子さくら館」隣接地に就労継続支援B型事業所と放課後等デイサービス施設を建設する。早ければ今年5月に着工し年内の完成を予定する。敷地面積は約700㎡で建物は鉄骨平屋で建築面積は約350㎡。就労継続支援B型は企業で働くことが困難な障がい者に軽作業など就労訓練の場を提供するもの。A型とB型の2種類があり、B型は雇用契約を結ばず、利用者には作業の成果に応じて報酬を与える。これまでの障害福祉関連サービスの経験を生かしながら、障がい者へのサポートを充実させていく構えだ。

山口 直彦 社長

 

(ふくおか経済EX2020年)