FEATURE

ふくおか経済EX 2014

タカラ薬局グループ


地域医療体制確立へ在宅支援、包括提携等がスタート

(写真)タカラ薬局の新たな取り組みのひとつで、昨年12月にオープンした「在宅支援薬局」の1号店(福岡市中央区舞鶴)

「タウンホスピタル構想」で福岡都市圏中心に調剤薬局約70店舗を展開するタカラ薬局グループ。在宅支援や業界内外での包括提携など新施策を相次いでスタートさせた。地域医療体制の確立目指し、安全・安心の提供というブランドを構築する。

ドミナント出店で70店舗へ

“医療のある街づくり”をテーマに地域の医療を支える「タウンホスピタル構想」のもと、エリアを絞ったドミナント出店戦略で調剤薬局を運営するタカラ薬局グループ。現在、福岡市内近郊を中心に67店舗を展開。70店舗目も近く、その先の100店舗体制も視野に入ってきた。
出店形態はそのエリアのニーズにあわせてさまざまで、地域に不足する診療科目を補う複合型医療施設「メディカルシティ」などがある。昨年秋には福岡市中央区長浜に移転した浜の町病院正面に大型門前薬局「浜の町病院前店」をオープン。調剤室や薬品庫は大型かつ薬品在庫数も一般店舗より多いという旗艦店舗で、新型インフルエンザなどのパンデミック(感染症世界流行)に対応した受取窓口や、福岡市内ではまだ多くないオストメイト(人工肛門保有者等)対応トイレも完備する。

新たな旗艦店舗の「浜の町病院前店」には、福岡でもまだ多くないオストメイト(人工肛門保有者など)対応トイレがある

業界内外とも提携

昨年末には医業経営コンサルの総合メディカル(福岡市、田代五男社長)と業務提携。福岡市や周辺都市部において地域の医療環境を支えるため、共同の医療ゾーンの開発や医師の開業支援などに伴う情報交換などを進めていく。この4月には業務提携後初の協力案件として、新宮町に新たな薬局がオープンしたばかりだ。小川明久社長は「これからは地域包括ケアが求められている。医師の開業支援発祥の地と言っても過言ではない福岡で、市民がその地域で円滑に一生暮らしていける地域医療体制の確立、という大義のために企業の枠を超えた協力体制をしいていく」と意気込む。
また同社は、大手コンビニエンスストアのローソンと包括的な業務提携を調整中だ。将来の医療環境を見据えると同時に、調剤だけではないニーズへの対応として動機づけするための新たなチャレンジでもある。ローソンの中に調剤薬局を入れる、または調剤薬局の中にローソンカフェを入れるといった形を検討中で、近く市内都心部に1号店の開業を計画している。

「自己変革求められる年に」

アベノミクスの成長戦略として掲げられた「日本再興戦略」の中で、セルフメディケーションの観点から薬局・薬剤師について、地域に密着した健康情報の拠点としての活用の促進が盛り込まれた。ゆえに、在宅医療や地域包括ケアにおいて薬局・薬剤師の役割に期待が集まっている。小川社長も「今年、調剤薬局は自己変革を求められる年になる」と強調する。

在宅支援も本格化

同社も昨年末から在宅医療への取り組みを本格化させている。社内では在宅専門の薬剤師チームを新しく組織し、12月に福岡市中央区舞鶴に「在宅支援薬局」の1号店を開設した。また同中央区薬院でも近隣の在宅専門医と取り組みを始めている。今後5年をかけて在宅支援薬局の店舗数を徐々に増やしていく考えだ。
その際、改めて求められるのが薬剤師の質だ。同社では、そのための薬剤師の人材育成を今後の重点課題のひとつとしている。
「質の高い、かつ親身な薬剤師によって安全・安心を提供する」。それが地域の医療を支えるタカラ薬局のブランドとなる。

小川 明久 社長
おがわ・あきひさ/福岡県直方市出身、1966年12月10日生まれの47歳。福岡県立直方高校卒。趣味は写真、ペットと遊ぶこと

 

企業DATA
所在地 〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3-25-21 博多駅前ビジネスセンター3F
TEL 092-436-2900
FAX 092-436-2901
URL http://www.takarapharmacy.co.jp/
創立 1980年5月
資本金 7,200万円(グループ合計)
事業内容 薬局、薬店の経営
年商 78億円(グループ業績)
代表者 小川明久
従業員 274人
関連会社 ㈱タカラメディカル ㈱幸陽堂薬品

採用情報
募集職種 薬剤師
応募資格 薬剤師免許取得者、薬科大学卒業予定者
問合せ先 TEL.092-433-5425
担当 岡村

(ふくおか経済EX2014年)