FEATURE

ふくおか経済EX 2011

タカラ薬局グループ


システム確立と人材育成で「選ばれる薬局」へ

(写真左)初の大型門前型店舗「タカラ薬局 福大筑紫病院前」の外観と店内
(写真右)九州新幹線全線開通で賑わいをみせる博多駅の博多口にほど近い「タカラ薬局 博多駅前」の外観と店内

エリアに的を絞ったドミナント戦略による独自の出店スタイルで展開を続けるタカラ薬局グループ。その新たな施策として、10年10月、大型門前店舗「タカラ薬局 福大筑紫病院前」をオープンし、好調に推移している。だが、この背景にはシェア拡大と院外処方化というタイミングがあり、あくまでベースとなるのは地域や医師、患者のニーズを集積した複合型医療施設「メディカルシティ」である。今後も出店形態を崩すことはないが、同社の目指す福岡都市圏のシェア確保という点で外せないケースには対応していく方針だ。

大型透析専門医院の開業を支援

地域に不足している診療科目の調査から、立地や医師の選定、地権者との交渉から、必要に応じ開発許可申請等や地元交渉までをトータルサポートし、医院開業までを支援している同社。現在は太宰府市向佐野の大型透析専門医院(7月開業予定)開業をサポート。この医院は「これまで大宰府市には透析施設がなく、患者への負担が大きかった」という患者への想いが形になったものだ。それは院内の設備にも反映されており、患者がストレスを感じることなくゆっくりと透析を受けることができるよう、50床のベッドを備える診療空間は広く余裕を持った造りとなっている。また、患者はもちろん家族も利用する待合室はくつろぎのスペースとしてのこだわりを追求。ガラス張りの大きな窓の外には、地面と平行線上に池の水を張り、待合室内から池に続く感覚を楽しめるという院内外の環境に配慮した設計である。

ドミナント戦略を生かして在宅調剤に着手

この数年は06年から導入された薬学部教育の6年制化により、新卒薬剤師が出ない為、中途採用に限定されたことで出店を調整せざるを得ない状況だった。しかし、12年度からは6年間でよりスキルを磨いた人材を採用できることで、より積極的な事業展開が可能となる。また、同社ではこれまで新卒の薬剤師は自社の研修施設で実際の調剤業務や、コミュニケーションなどサービスに対するセミナーを実施してきた。今後は、6年制の移行に伴って「接遇」と呼ばれるコミュニケーション能力を高めるカリキュラムが組み込まれたことにより、受け身の姿勢ではなく患者の状態をより把握するための対話力を備えた人材の輩出にも期待が持てる。
人材の確保と育成は、同社が今後取り組んでいく在宅医療の支援にもつながっていく。医療制度の改革によって、今後は自宅療養を中心とした地域医療体制に移行が進むと予測される。同社ではドミナント戦略を生かし、患者に最も近い店舗から薬剤師が出向くことで、スムースな在宅調剤が可能となる。「在宅調剤の場合、より一層のコミュニケーション能力が必須となる。対話によって患者の体調の異変などを把握できることは重要」と説明する。ドミナント戦略のメリットとスキルを持った薬剤師を融合することで、真の在宅支援を実現していく。

基幹系システムと自社物流システム構築で経営合理化を実現

10年11月には、メディカル版サプライチェーンマネジメント構築を目指し、取り組んできた「基幹系システム」が完成。これは薬を調剤後、コンピュータが他店の持つ在庫量を検索、他店在庫がなければ問屋へ発注するというものだ。また、季節に応じて動かない薬も特定でき、動かない薬は数店舗が共同で保有するなど、店舗間での在庫調整ができることで在庫の抱えすぎを防げる。
物流に関しても、今後自社物流システムを構築してラインを一元化し、流通の効率化を図って行く。これまでは各業者が全58店に納品していたため、1日の搬入・検品回数が多かった。自社物流システムではこれを一元化することで、検品が不要となることに加えて搬入回数も減少する。「店舗によって1日に何度も搬入・検品に時間をとられていた。このシステムでは1日1〜2便で済むことから大幅なコスト削減はもちろん店舗運営も合理化できる」と期待を寄せる。薬局間の連携を強化し、内部体制が一層充実、経営の合理化を進める同社。システム確立によって、さらなる成長が見込まれる。

地域と顧客のために尽力

これまで数々の開業をコンサルティングしてきたことで、さまざまな方面から高い評価を受ける同社。近年は病診連携の中継ぎから、医療継承問題や医療法人のM&A等に関する相談も多いという。卓越した情報・分析力と実績、そして何より利益ではなく、地域と顧客のために力を尽くす姿勢こそが多くの支持を集める所以と言えるだろう。「選ばれる薬局」の理念を守り、これからも顧客満足度第一主義を貫いていく構えだ。

小橋和彦 常務取締役開発本部長
こばし・かずひこ/福岡県出身。1959年9月29日生まれの51歳。九州産業大学工学部建築学科卒業。音響エンジニア・ライターから㈱トライアルカンパニー取締役、商環境・医療建築コンサルティング業を経て現在に至る。趣味はオーディオ、カメラ、パソコン

 

企業DATA
所在地 (本社)福岡市東区御島崎2-2-41
(サポートセンター)福岡市博多区博多駅前3-25-24 八百治ビル6F
TEL (本社)092-433-5425(サポートセンター)092-436-2900
FAX (サポートセンター)092-436-2901
設立 1986年2月
資本金 5200万円
事業内容 薬局、薬店の経営
年商 42億7500万円
代表者 ㈱タカラ薬局 小川明久
従業員 232人
関連会社 ㈱タカラメディカル ㈱幸陽堂薬品
URL http://www.takarapharmacy.co.jp/

採用情報
募集職種 薬剤師
応募資格 薬剤師有資格者、薬科大学卒業予定者20名
問合せ先 TEL.092-433-5425
担当 岡村

(ふくおか経済EX2011年)