FEATURE

ふくおか経済EX 2020

ゼオライト(株)


100年企業目指し醸成する組織としての一体感と人間力

(写真上)確実な井水処理が可能なRO膜プラント
(左下)保守業務ではiPadを活用。高効率な管理を実現している
(右下)河村恭輔名誉会長、河村勝美会長、嶋村謙志社長(後方)

首都圏での市場拡大に備え拠点機能を強化する一方、新たな水処理プラントの開発、そして労務管理の徹底や技術の継承を中心とした人材育成などソフト面の充実も図る。創業50周年。九州を代表する水処理プラントメーカーとしての実績と信頼を強みに、100年企業への確かな歩みを刻み始めている。

首都圏での対応力強化、労務管理体制の充実も

3月の鹿児島営業所(鹿児島市)の開設に続き、4月には首都圏を中心とした関東エリアでの対応力アップを目的に、東京支店(東京都荒川区)の営業部門を東京・銀座に移管させるなど、大型案件の順調な新規受注に合わせた拠点機能の強化を図っている。
その一方で深刻な人手不足が社会問題となっている中、働き方改革を目的としたコンプライアンス重視の業務遂行はもちろん、新たな人事評価の導入や今後予定している完全週休二日制に向けた労務管理の仕組み作りも本格化。顧客情報の増加に伴い構築してきた社内システムのIT化についても、今後3~4年かけ段階的に一元化を進める計画で、さらに高効率で生産性の高い社内環境の整備に取り組んでいく。

新技術を駆使した処理装置の開発へ

これまで全国の工場やホテル、大型商業施設、大規模病院などに用途に応じた水処理プラントを納入し、水質改善や排水再利用など、水に関するあらゆるソリューションを提供してきた同社。災害対策に伴うBCP(事業継続計画)の観点から、自家用給水システムによる安心・安全な水の確保に対する意識も今後さらに高まると予想される中、高い技術力を生かした新たな水処理装置の開発にも着手している。
その一つが電気透析膜を使った水処理技術だ。電解処理技術を駆使し、水処理時に必要だった薬品を一切使わずに済むことで、メンテナンス時に不可欠だった薬品投入の時間や労力が軽減できる上、ラニングコストもこれまでの半分程度に抑えられるため、顧客にとってもメンテナンスコストのカットが期待できる。すでに製品化に向けたテストは最終段階までこぎつけており、来期中には新装置の供給がスタートできる見通しだ。さらに韓国の膜メーカーとの提携によって電気透析膜を採用した日本初の処理装置の実用化への準備も着々と進むなど、水処理のプロ集団としてのチャレンジはこれからも無限に続く。

名誉会長の新たな著書を技術継承のバイブルに

技術者として飽くなき探求心を原動力に変え、卓越した技術、水創りの情熱を伝えてきたのが、創業者で工学博士の河村恭輔名誉会長だ。今春には創業50周年を記念し、これまでの半世紀で培った技術のいろはを次世代に伝える教本「水処理技術のポイント100」を出版する。水創り一筋に歩んできた河村名誉会長の水処理技術に関する集大成として、これから社内教育の重要なバイブルとして連綿と引き継がれていくだろう。
「100年企業、そして水処理業界で日本一を目指す」。きっぱりとそう目標を掲げる嶋村社長。河村名誉会長が継承してきた技術力、そして河村勝美会長が人創りを通じて作り上げた組織としての基盤を生かしつつ、全社員が一枚岩となり新たな成長戦略をスピード感もって取り組むことで存在感を高めていく。アジアを中心としたグローバル展開も現実味を帯びる今、組織としての一体感、それに信頼を手繰り寄せる一人ひとりの人間力を強みに、次の50年も信念をもって歩み続ける。

100年企業に向け結束力を強める社員

 

採用情報
募集職種/営業系、技術系、メンテナンス系
応募資格/2021年大学・大学院卒業予定
詳しい採用情報はHP上の採用サイトをご覧ください

(ふくおか経済EX2020年)