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ふくおか経済EX 2019

ゼオライト(株)


創業50周年、持続的成長への基盤づくり着々と

今年で創業50周年を迎える九州を代表する水処理プラントメーカー。好調な関東、関西地区での市場開拓に加え、今後は海外展開を見据えた動きも本格化する。卓越した技術力、水創りへの信念と情熱をしっかりと受け継ぎながら、永続企業へ基盤づくりを着々と進めている。

クラウド化、iPad導入で、メンテ管理の対応力を強化

事業領域の拡大と顧客数の増加に伴い、近年は管理システムのIT化を進め高効率な社内環境の整備に力を入れてきた。今年は新たにVPN接続によるクラウド型遠隔監視システムの運用を開始したほか、3月にはiPad約50台を導入。スタッフが現場先でも顧客の基本情報や保守履歴などの状況がリアルタイムで確認、共有できるようにするするなど、保守・メンテナンス部門のさらなる機能強化を図っている。
一方でプラントの建設事業では、関東や関西での市場開拓が好調で、大規模病院や公共施設、大手製パン工場などの大型案件の新規受注が順調に伸びている。また設備更新時期に合わせ、他社からの切り替えによるメンテナンス需要も増えており、そこでのきめ細かなメンテナンス対応力と技術力が高く評価され、プラント設備の増強を依頼されるケースも少なくない。

結束力を高める役員・幹部社員(上段中央の河村恭輔名誉会長を挟み、左が河村勝美会長、右が嶋村謙志社長)

米国での調査を新製品開発と海外展開の足掛かりに

「最近は中国からの建設資材の調達を増やしたことで仕入れコストが削減されている。今後も品質を十分確保した上で、プラント資材の海外調達率を上げ、さらに収益性を高めていきたい」。そう話す嶋村社長は、海外との取引を通じて築かれたネットワークを足掛かりに、グローバル展開も視野に入れている。
すでに米国では、2018年6月に済産業省が支援する国内インフラの海外展開促進調査の実施事業者に採択されたことを受け、今年2月までコロラド州でRO膜技術による下水再生処理に関する排水調査を進めてきた。3月からはこの調査結果をベースに、ろ過後の濃縮排水を大幅に減らす新装置の研究開発を進めており、同国での事業化の可能性があれば海外での水循環・再生水市場参入への大きな一歩を踏み出すことになりそうだ。

新卒採用含む労務管理の新たな仕組みづくりに注力

人手不足が社会問題となる中、新卒採用は今後の強化ポイントの一つ。今年からは従来の就活サイトでの募集に加え、県内を中心とした大学にも精力的に足を運び、就職担当職員との関係構築にも力を入れるなど、積極的な採用活動を展開する。
また労務管理についても、勤務体系の見直しのほか、8月からは独自の人事考課を導入するなど、制度面での働き方改革を進めていく。同時に技術を継承する社員教育にも力を注ぎ、体質改善と組織力の強化を図っていく。
8月に創業50周年という大きな節目を迎える。「良い水創り、人財づくり」の企業理念のもと、創業者である河村恭輔名誉会長、河村勝美会長の二人三脚によって着実に事業を拡大。そして2016年に継承した嶋村社長がこれまで築いてきた基盤を生かし、永続とさらなる発展への新たな成長戦略を掲げ、卓越した技術と水創りへの情熱を次世代の社員にしっかり伝え続けている。新本社建設計画も浮上する今、100年企業への新たな歴史の一歩を踏み出す。

2018年7月には河村名誉会長が著書「水ひと筋に生きる」を上梓。逆浸透膜に出会い、水創り一筋に生きた技術者としての情熱を次世代に伝えている

 

【DATA】
所在地/〒812-0893 福岡市博多区那珂5-1-11
T E L/092-441-0793
F A X/092-441-0796
創  業/1969年11月
設  立/1970年8月
資本金/9,000万円
事業内容/ 水処理プラントの企画・設計・製造とメ ンテナンス、ROミネラルウォーターの 宅配、家庭用、業務用浄水器製造販売
年  商/33億5,053万円(18年7月期)
従業員/120人
出  先/( 支店)東京、大阪、名古屋、(営業所) 東関東、岡山、熊本、大分、長崎、北 九州、宮崎
関連会社/㈱アクアゼオライト
U R L/http://www.zeolite.co.jp

採用情報
募集職種/営業系、技術系、メンテナンス系
応募資格/2020年大学・大学院卒業予定
詳しい採用情報はHP上の採用サイトをご覧ください

(ふくおか経済EX2019年)