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TheFace2015

アキラ水産


安部 泰宏

㈱アキラ水産 社長

あべ・やすひろ/福岡市中央区出身。1939年3月29日生まれの76歳。福岡大学付属大濠高校卒。趣味はゴルフ。全国水産物卸組合連合会副会長。九州地区水産物卸組合連合会会長。福岡市鮮魚仲卸協同組合理事長。福岡魚食普及推進協議会会長。地場経済界に広く交流を持ち、04年7月福岡城西ロータリークラブ会長。05年4月に藍綬褒章、11年6月に旭日双光章を受章した。福岡商工会議所では議員(卸売商業部会長)などを経て、14年11月から副会頭

「顧客第一」のDNAで魚食拡大のニーズつかむ

漁獲量の減少や食生活の変化に伴う魚離れで「業界全体は厳しい」と安部社長は現況を認識する。

ただ、㈱アキラ水産は大正の創業店舗「明市場」の時から「箱儲け」(魚を入れる箱の分だけの儲けの意)の「薄利多売」を実践。そこから「明百貨店」へとなり、戦後の卸売業への転換を経て安部社長がトップになってからも、量販店対応のための加工業参入など業容を変えてきた。これは「顧客第一」として時代時代の顧客のニーズに合わせてきたもので、前述の薄利多売とその顧客第一主義は、90年以上にわたって受け継がれてきた同社のDNAであり、社是でもある。

それを踏まえて、厳しさを増す現状を打破するために、同社では今後も小売りや飲食店などに向けた新たな顧客ニーズも模索し、グループ全体で仲卸機能を強化していく考えだ。

一方、自身が会長を務める福岡魚食普及推進協議会では、地元の魚をもっと知ってもらおうと市場開放イベント「市民感謝デー」を毎月第2土曜日に開催。市民の間でもすっかり恒例となり毎回数千人が訪れる。

社内外で魚の消費拡大に取り組む安部社長。「魚食文化を守るためにも、皆さんが魚を食べる環境づくりに力を入れる」と語った。

DATA
所在地/〒810-0072 福岡市中央区長浜3-11-3-711
TEL/092-711-6601
創業/1918年(大正7年)
設立/1947年4月
資本金/4,600万円(グループ)
事業内容/(福岡市中央卸売市場)鮮魚仲卸全般
従業員/72人(グループ)
売上高/90億円(グループ) 関連会社/㈱コウトク水産、㈱一心、㈱安部水産、㈱アキラ・トータルプランニング

http://www.akirasuisan.co.jp

(ふくおか経済2015年11月号FACE)