FEATURE

ふくおか経済EX 2012

福交運輸事業協同組合


福岡の老舗タクシーグループ、
新たな発想と施策でさらなるCS向上を

次世代のリーダーによる起案で取り組まれる新しいサービス。配車業務の円滑化や乗務員のサービス力強化によって顧客満足度の向上を図り、福岡で最も支持されるタクシー会社を目指す。

スピーディーな配車にノンストレス!デジタル無線とアプリ導入

福岡市のタクシーといえば、黄色いボディーに赤いラインが映える福交運輸事業協同組合の車両。「福交タクシー」の名称で親しまれており、その車両台数は、福岡市内でナンバー1を誇る。地場タクシー会社12社で組織され、車両デザインと配車無線、乗車チケットを共有している福交タクシーは、タクシー会社として「お客さまに選ばれる」真のサービスを追求している。
昨年12月、デジタル無線への切り替えに伴い配車センターを併設した事務所を拡張移転した。デジタル化は顧客の利便性向上を図るもので、全車両にカーナビを設置しGPS機能で配車センターと情報通信を行うため、通信の容量とスピードが倍増し至近距離の車両割り出しや車両への急行指示、お客様への音声案内がワンストップかつ迅速にできるようになった。「お客さまのご用命に即座に応えられることこそ、タクシーに求められるサービス」と、さらに配車業務の効率化を図るため、昨年末にはスマートフォン向け配車アプリケーションを導入した。電話回線を使わず、スマートフォン端末に表示される地図上で指定した位置にタクシーを呼ぶことができるため、雨の日や繁忙時間帯の配車受注を電話回線と分散することがきる。このアプリケーションは全国で対応拠点が広がっており、12年3月で1万2千件のダウンロード数を突破した。

加盟会社の経営陣。前列左から㈲福運タクシーの上村謙二社長、平成自動車㈱の栗本隆雄社長、清流タクシー㈲の中井眞紀社長、福岡交通㈱の野上正嗣社長、九州交通㈱の髙橋正秀社長。後列左から祐徳自動車㈱の中原進事業部長、玄洋交通㈲の富松久社長、文化タクシー㈱と㈱シティタクシーの副田小百合社長、㈱大和自動車の武富徹郎社長、㈲春吉タクシーの松崎公一郎社長、㈲玄海タクシーの笠由伸社長

全乗務員の接遇・マナー研修

12年3月、福交タクシーでは12社体制となってから初めて全乗務員を対象にした接遇・マナー研修を実施した。運転マナーだけでなく、第一印象や言葉遣い、思考や感情のコントロールなどを身に付けることで「お客さまによりよいサービスを提供する自覚を育てていきたい。大所帯だからこそ、乗務員ひとりひとりに福交タクシーの一員である誇りを持ってほしい」という。顧客満足度向上の取り組みが従業員満足とつながることで、より一層シナジー効果を発揮するだろう。
加盟企業の若手オーナーや後継者の存在がこうした新しい取り組みを加速させている。視察や他業種との交流会での情報収集、経営ノウハウの習得に努め、自らも若手勉強会を開催している。複数企業が連携し実績を築き上げてきた経営基盤を舞台に、今、次世代を担うリーダー達は新しい発想力で経営手腕を発揮している。業歴が長く市内最大の規模でありながら、革新的な経営戦略とサービスで業界をリードする福交タクシーの挑戦に期待が高まる。

3月には4回に分けて全乗務員1688名の研修会を実施

 

 

企業DATA
所在地 〒814-0001 福岡市早良区百道浜2丁目4-27 AIビル8階
TEL 092-822-1414
FAX 092-822-1416
URL http://www.fukukou-taxi.com/
設立 1970年1月
事業内容 タクシー、バス、ジャンボタクシー、寝台車、介護車
代表者 中井眞紀理事長
従業員 1688人
加盟会社 清流タクシー㈲ 福岡交通㈱ 九州交通㈱ ㈲春吉タクシー 平成自動車㈱ 文化タクシー㈱ ㈱シティタクシー 祐徳自動車㈱ ㈲玄海タクシー ㈲福運タクシー ㈱大和自動車 玄洋交通㈲

(ふくおか経済EX2012年)