FEATURE

ふくおか経済EX 2010

リーフラス㈱


総合スポーツサービスと
地域教育活動で子どもたちの「ココロに体力を。」

スポーツを通して子どもたちの健全な心を育む企業、それがリーフラス㈱だ。現在、国内15カ所、海外1カ所(香港)に拠点を配備し、総合スポーツサービスを提供している。その核であるスポーツスクールは、サッカー、野球、リズミック空手、剣道の各種目を展開。今期は新たにバスケットボールとテニスの2種目を追加する。
これらすべてのスクールの根本には、子どもたち一人ひとりの適性に合ったコーチングがある。これまで日本のスポーツ界には体力や人格を無視した封建的な根性主義の指導が蔓延していた。同社ではこれを一切排除し、技術だけでない人間性育成に重点を置いた指導を実施。子どもたちはスポーツから人への思いやりやリーダーシップを学び、同社の「ココロに体力を。」というテーマ通り、心身ともにたくましさを身につけていくのだ。

スポーツを通したソーシャルビジネスで地域に貢献

総会員数2万人を超えるスポーツスクール事業では、まず何よりも「スポーツに親しむ」環境づくりに重点を置く。成長期の低学年の子どもたちの体力に適した軽量のボールやラケットを使用し、決して体に無理な負担をかけない。加えて、スポーツによるコミュニケーション能力や伸びやかな感性、チャレンジ精神、あきらめない心が身につくサポートに力を注ぐ。また、スクール前の地域美化活動や、田植えや稲刈りといった農林水産体験、ラーメンの麺づくりやそば打ちの生産体験など様々なプログラムを実施する一日体験活動も各地で実施。それぞれの地域の特性を知り、体験することで地域への意識が強まり、地域活性化へつながっている。社会の問題点を抽出し、解決していくソーシャルビジネス企業としての大きな使命と役割を担う。
さらに地域貢献の面では、中学校部活動への協力も実施している。現状の中学校部活動では、顧問教師にスポーツ経験がなく、指導方法が分からないケースや、経験者が指導する場合でも、しごきや体罰が日常化していることも少なくない。この問題については学校側や保護者から相談が寄せられていた。そこで、プロのスポーツサービス企業である同社が、適切な練習カリキュラムを組んで提供することによって改善を図っている。「小学生以下のスポーツ指導に対する意識は健全化されてきている。しかし、中学の部活動ではまだ旧体質のスポーツ指導や、きちんとしたコーチングが出来てないことが多い。たとえ利益を度外視してでもこの部分は解決していかなければならない課題」と伊藤社長は力を込める。

小学校でのゴールボール普及講演活動

社員研修強化とともにプロスポーツ支援に着手

業界をけん引するリーディングカンパニーとして、社員のスキルアップのための研修にも積極的に取り組む。毎月1度の人間学を学ぶ「木鶏会」や、ホスピタリティやマネジメント能力を向上する研修のほか、企業の信条や行動指針を定めるクレドの作成にも着手した。全社員が個々のブラッシュアップに努めていることが、企業全体としてのレベルアップにつながっていると言えるだろう。毎年1万人を超えるエントリー数の中から揺るぎない採用基準で、厳選した人材をさらに磨きあげていることが同社の最大の強みと言えるのではないだろうか。
採用に関しては、プロの支援の面からアスリート採用も実施。現在は、ゴールボールの安達阿記子選手が所属しており、パラリンピックに出場するなど活躍を見せる。また、安達選手は福岡県からスポーツ夢大使に任命され、小学校などでゴールボールの普及や道徳教育にも尽力している。また、日本のプロスポーツにおいては収益体制が崩壊しているものも少なくない。同社では今後、新たな手法によるスポーツマネジメントでプロスポーツを縁の下から支えていくことも計画している。

様々な社員研修でスキルアップに取り組む

理念共有者の増加でスポーツ指導の健全化が加速

「日本のスポーツを変え、デザインする。」をテーマに、日本スポーツ界の変革に挑んでいる同社。国内のスクール進出地域では、スポーツ指導に関する意識の変化が見られ、健全化に向けた勢いは加速している。伊藤社長は「最も大きいのは、当社のような指導方針の後発スクールが増加してきていること。また、考え方に共感してもらえる指導者も増えている。同じ理念を共有できる人々が増えていけば日本のスポーツ界が変わる日も遠くない」と期待を寄せる。今後は留学生を積極的に採用し、リーフラスのビジネスモデルを世界へ展開していく方針。その第一歩として、今期中には中国への拠点開設も予定している。総合スポーツサービス企業、また、ソーシャルビジネス・コミュニティビジネス企業のリーディングカンパニーとして、その存在感はますます大きくなっていくだろう。

伊藤 清隆 社長
いとう・きよたか/愛知県出身。1963年11月21日生まれの46歳。国立琉球大学教育学部卒。趣味はスポーツと読書

 

企業DATA
所在地 〒814-0001 福岡市早良区百道浜2-3-8 RKB放送会館
TEL 092-832-8015
FAX 092-832-8016
設立 2001年8月
資本金 1億3190万円
事業内容 子ども向けスポーツスクールの運営受託、社会人向けスポーツスクールの経営、スポーツ家庭教師、民間及び公的機関へのスポーツ指導員派遣、海外・国内スポーツツアーやドーム大会等の企画・実施、スポーツビジネスコンサルティング、企業再生・再構築ビジネス
年商 23億円(平成22年4月期)
代表者 伊藤清隆
従業員 330人
URL http://www.leifras.co.jp/

採用情報
募集職種 総合職(業務全般)・アスリート職(スポーツスクールのプレーイングマネージャー)・一般職(人事・広報・労務・経営企画・経営戦略・商品・CS・システムなど、お客様や社員のサポート業務)
応募資格 専門・短大・大学卒(全学部、全学科)
問合せ先 0120-737-351 (リクルートダイヤル)
担当 祐成(すけなり)・趙(ちょう)

(ふくおか経済EX2010年)