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一貫した輸送体制をもつ総合物流企業へ

小口輸送や食品特化の輸送、倉庫業に加え鉱物開発など5社をもつ。中核の運送事業は、県外拠点開設や幹線輸送に対応し輸送網を拡大。また、本社隣地を整備し倉庫業を広げるなど総合物流業として歩みを進める。人手不足という業界課題に向き合い輸送物流をバランス良く手掛け安定した経営基盤を構築する。

本社隣接地に新倉庫開設へ

EC業界の活況を背景に国内の物流市場は拡大傾向にある。中でも、海上や航空輸送などと比較してトラック運送事業の営業収入が増えており、一度の運送で運ばれる貨物量より小口配送が拡大しているという。
こうした状況を踏まえ、運送事業を中核にするマルゼングループは、2023年内の稼働を目指して本社隣接地約6000㎡の土地を造成し業容拡大に備える。新用地は約500㎡のテント倉庫を設置するほか大型トラックの駐車場として活用する。
2018年8月に拡張移転した現本社は、2階建て約3000㎡の倉庫事務所を併設し、これを皮切りに倉庫事業に着手した。保管・荷役・運送の全工程を一括して請け負う「3PL」体制を整え、顧客とパートナーシップを強固にし、ニーズの高い商品に対応することで倉庫のフル稼働を維持している。「この増床は既存倉庫の手狭とともに、小口配送が増え輸送網集約による効率化と自動化を加速するもの」と牛嶋会長。倉庫の管理体制を自動化しながら、現状の物流内容の見直しを図りスピードで無駄がない物流システムを構築する。
その上で22年11月に同社初の県外拠点になる東京営業所を江戸川区東葛西に開設した。冷蔵冷凍の食品輸送に特化したトラックを現地に置き、近年のEC拡大による食品需要を取り込み関東圏にも輸送エリアを拡大している。さらに、23年4月から九州-大阪間での幹線輸送に対応し、広域なネットワークを確立して安定した輸送力を確保する。

働き手の「快適性」を重視

現在4トン、10トントラック計70台を保有する同社。近年は積載率向上とCO₂削減への対応として大型車を充実させているが、ドライバー経験をもつ牛嶋会長が最も重視しているのが安全と快適性だ。
業界が活気づく一方で、ドライバー一人ひとりの労働負担も大きく人が集まりくい状態となっている今、労働環境の改善とともに業務のほとんどを過ごす車両には強いこだわりを見せる。数年前から居住性や機能性を重視した新車を毎年入れており、年内にはドライバーに人気が高いスウェーデンのトラック「スカニア」新モデルを初めて導入する。
人材獲得という点では、助成金活用の大型免許取得支援や社内にシャワールームや休憩室を整え、職場環境を整える。さらに、運送と倉庫。鉱物開発など総合物流業から建設事業へと領域を広げ、グループ内異動を可能にした適材適所の人材配置も強みにする。
働き手不足による業界課題は、社会にも浸透し社会的注目が集まっている今こそ好機と捉え、あらゆる改善を図りながら持続可能な物流の実現に向けて歩みを進める。

牛嶋浩人 会長兼社長（左） うしじま・ひろと／久留米市出身。1971年9月26日生まれの51歳。山口芸術短期大学卒。広告代理店に勤務しデザイン業務に従事。21歳で大型免許を取得し、23歳で佐川急便のドライバーに。同関連会社勤務を経て独立、「MARUZEN EXPRESS㈱」を設立した。趣味は海や山などへ仲間とツーリング、読書、映画鑑賞 吸山 太 営業本部営業部長（右） のみやま・ふとし／福岡県遠賀郡出身。1968年7月18日生まれの54歳。戸畑工業高校卒。87年佐川急便北九州営業所に入社し八幡西営業所、宗像営業所に配属。そこで当時の牛嶋会長と出会い2019年5月、MARUZEN EXPRESS㈱に営業部長として入社した。趣味はゴルフ、釣り、ツーリング、北九州マラソン完走、別府100キロウォーク完歩 （写真）造成中の約6000㎡の土地(奥が本社兼倉庫)

採用情報
募集職種／トレーラー、10ｔ-4ｔドライバー（中途）、事務職（運行管理者・サポート）、管理職
応募資格／大型免許資格、牽引免許（ドライバー）
採用予定／50人
問合せ先／TEL.093-562-5151
担　　当／吸山

（ふくおか経済EX2023年）