COMPANY

社会変化を敏感に捉え、多角展開で社会貢献

（写真左下）キッザニア福岡に出展している「病院」と「専門学校」パビリオン

3年連続ベースアップや企業型確定拠出年金を導入し、社員の待遇改善に力を入れる㈱麻生。麻生グループの2024年3月期連結決算では売上高、経常利益、純利益ともに過去最高を達成。同社が推進する医療関連事業や不動産事業、グループ全体の付加価値向上を図る経営支援事業の取り組みに注目が集まっている。

㈱麻生は病院経営・コンサルティングをはじめとする「医療関連事業」や「不動産事業」、「経営支援事業」など、多岐にわたる事業を展開。麻生グループ全体のリスクマネジメントや認知度向上に注力している。
その中で、医療分野を担う重要な存在が飯塚病院（飯塚市）だ。1918年、創業者・麻生太吉によって開設され、現在は病床数1,040床（一般970床、精神70床）を有する。国内の医師臨床研修指定病院の志望度ランキング（日経メディカル）では、5位を最高にトップ20の常連として全国の医療機関からも注目されている。
医療関連事業では受託病院の運営･経営健全化を強力に推進する病院管理運営サポート事業のほか、適正評価調査や現場医療スタッフへの指導を行う医療デューデリジェンス事業を展開する「医療事業開発部」、病棟･診療科再編、リスク管理、患者･職員満足度向上やTQM導入支援など一連のプロジェクト管理を徹底することでより良い病院経営の実現を目指す「病院コンサルティング事業部」がある。さらに「PFI事業」は病院運営･経営ノウハウを背景に、大手商社やスーパーゼネコン、設計会社、医療関連サービス会社など様々な業界とコンソーシアムを組成する。
不動産事業では24年3月に竣工したオフィスビル「コネクトスクエア博多」の開発･運営に携わったことも大きな話題となった。「不動産事業部」は麻生グループが国内外に有する不動産約4,800万㎡のうち、北部九州を中心に約260万㎡の土地建物の管理運営を担当。主にマンションやホテル、事務所、店舗など約400件の管理運営を行っているほか、「開発事業部」は筑豊地区を中心に商業施設やスポーツ施設、テナントなどの誘致･管理を展開。国内外を問わず、街づくりに寄与し続けている。
グループ116社のサポートを同社が担当しているのも特徴の1つ。経営支援事業は「総務部」「人事部」「法務部」「経理財務部」「外事･統計部」で構成される。M&Aの取り組みによるグループ拡大を支援。さらにグループリスクマネジメントの定着や広報・PR活動を通じてのグループ認知度向上に貢献している。

グループ成長性で存在感示す

その結果、グループの24年3月期連結決算では売上高が前期比17％増の3,957億円、経常利益は同34％増の306億円、純利益は同87％増の195億円となり、いずれも過去最高を達成。今後も更なる成長を目標とし、社会変化を敏感に捉え、能動的に事業に取り組んでいく。㈱麻生では社員の待遇改善や人材採用･育成強化も欠かさない。3年連続でベースアップしたほか、24年度から企業型確定拠出年金を導入。会社が一定の掛金を拠出し加入者自ら年金資産を運用する手法を採用している。今年2月には仮本社を「のがみプレジデントホテル」に移転。
社会貢献活動も重要視しており、22年には「ららぽーと福岡」内に開業した「キッザニア福岡」に“病院”と“専門学校”のパビリオンを出展。次世代を担う子どもたちの生きる力を育む体験機会の創出に共感しているほか、22年度から飯塚市近郊の小中学校特別支援学級の児童・生徒を対象にスナッグゴルフ体験会を実施。さらに、24年に「日本障害者オープンゴルフ選手権」を開催し、25年も開催が決定。また、㈱アソウ・ヒューマニーセンター内に設立した「シーズアスリート」では仕事と競技の両立を図り世界を目指すパラアスリートの雇用支援ほか、企業とパラアスリートをマッチングする就職支援も行っている。
常に変化に挑戦しながら多様な事業展開で社会の課題解決に貢献し続ける麻生グループに注目が集まる。

麻生巖 代表取締役社長 あそう・いわお／飯塚市出身、1974年生まれの50歳。慶應義塾大学経済学部を卒業後、97年に㈱日本長期信用銀行（現㈱SBI新生銀行）へ入行。99年にケンブリッジ大学へ留学し国際関係論を専攻する。00年に㈱麻生へ入社、医療事業開発部を設立。主に医療事業、不動産投資、M&Aに携わり10年に代表取締役社長就任

採用情報
募集職種／総合職
応募資格／大学、大学院卒
採用予定／15名程度
問合せ先／Mail:jinji-post01@aso-group.co.jp
担当／人事部･島崎

（ふくおか経済EX2025年）