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上場弾みに事業拡大働き方の多様化にも挑戦

（写真左）2024年2月完成予定の「アクシオ三萩野Ⅱ」イメージパース
（中央下）ゼロLDK平屋「LIMINI」
（右下）SDGs私募債発行で北九州市立大学に寄付

東京プロマーケット上場、北九州と福岡の2本社制で総合不動産企業として成長を続ける。売買再販事業が好調に推移し、2月からはFCで平屋の戸建て住宅販売を開始。上場を弾みに事業拡大を進めている。スポーツ採用やアルムナイ採用の導入、新たな雇用形態「パートナー」の新設など、働き方の多様化にも積極果敢に挑む。

九州初ゼロLDK平屋を販売開始

東京証券取引所の「TOKYO PRO Market」上場から1年。上半期は不動産の売買再販事業が好調に推移し、過去最高の滑り出しを見せている。北九州市に加えて本格的に福岡市やその近郊にも活動エリアを拡大。来店者数、仲介件数共に堅調に推移し、販売用不動産も計画を上回る販売実績を達成した。三谷俊介社長は「今後さらに回転率を上げ、成長に弾みをつけていきたい」と意気込みを語る。住宅産業やDX関連企業を対象にM&Aの活用も検討しており、グループ規模の拡大を目指す。
この2月から、住宅業界の協業団体「DXビルダーズネットワーク」に参画し、ゼロLDK平屋「LIMINI（リミニ）」の販売を開始。ゼロLDKを基本とし、ライフスタイルに合わせて3LDKまで増設できるユニット構造で、住まいの価値観の大半をリカバーできる4タイプをそろえる。税込み980万円～という価格設定も大きな特徴だ。九州初の販売店となり、北九州を中心に遠賀、行橋などのエリアで展開していく。「毎週バーチャル説明会を開催しているが、想定以上の反響に手応えを感じている。初年度5棟を目標に営業を強化する」と力を込める。同事業には今春入社の新卒社員も配置する計画で、育成を図っていく考えだ。
一方、自社企画のデザイナーズ賃貸マンション「アクシオ」シリーズは7棟目の「アクシオ三萩野Ⅱ」（北九州市小倉北区萩崎町、15階建て総戸数66戸）が着工、来年2月の完成を予定している。

（写真中央）北九州中経協会長も務める三谷社長。左は武内和久新市長 （下）オフィシャルスポンサーを務める社会人硬式野球チーム「ARC九州」

多彩な採用制度を導入

「街を創る。人を創る。お客様の望む答え〈ANSWER〉を提供する」。このスローガンのもと、多様化するニーズに応えてきた同社。ライフスタイルの変化やテレワークの普及など、選択肢が広がった昨今において、人材採用の面でもさまざまな工夫を凝らしている。今季からJABA福岡県野球連盟に新規加入した、社会人硬式野球チーム「ARC九州」（本拠地・北九州市、伊東勤総監督）のオフィシャルスポンサーとなり、この4月から7人の選手を正社員で受け入れた。前田啓美常務は「働きながら野球を続けたいという思いに賛同し、「スポーツ採用」の枠を設けた。野球で培った能力を仕事でも発揮してもらいたい」と経緯を説明する。また、社員の知人などのつながりから人材を紹介してもらう「リファラル採用」、退職した社員を再雇用する「アルムナイ採用」を導入。即戦力の確保にも余念がない。一方、雇用形態についても、新たな枠として「パートナー採用」を新設予定。「固定給、勤務スタイル自由、副業可能、福利厚生は社員同等という条件。固定観念にとらわれず、柔軟に対応していきたい」と笑顔を見せる。
社員育成では、「アンサーアカデミー」と銘打ち、7月から部署別の研修を開始する。社員が講師となり、年数回の実施を予定している。昨年4月にスタートした「アンサーテスト」も継続。会社概要や取り組み内容など、自社に関する知識と理解をより深めていく。「さまざまな可能性に挑戦し、価値ある人材になってほしい」と願う三谷社長。その可能性を開花させる教育や職場環境づくりに今後も奮闘する。

三谷俊介 社長 みたに・しゅんすけ／北九州市小倉北区出身。1963年9月20日生まれの59歳。常磐高校卒。鉄工会社勤務などを経て、26歳で不動産業界に。仲介を中心に約10年間経験し、2000年に㈱アンサー倶楽部を設立。昨年5月から（一社）北九州中小企業経営者協会の会長も務めている。趣味はゴルフ

採用情報
募集職種／企画営業、総合職
応募資格／専門学校、短大、大学、大学院2024年卒業見込み（全学部全学科）
採用実績／23年度15人
採用予定／16～20人
問合せ先／TEL.093-953-9927
担当／前田啓美

（ふくおか経済EX2023年）