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JFEグループ九州初の
食品リサイクル&バイオガス発電

JFEエンジニアリング㈱のグループ会社であるJ&T環境㈱の子会社、福岡バイオフードリサイクル㈱は、食品廃棄物リサイクル工場を昨年稼働した。処理工程で生成するバイオガスを燃料とした発電と残渣物の肥料化という「ダブルリサイクルループ」で循環型社会形成の一翼を担おうとしている。

食品廃棄物で再エネ発電

福岡バイオフードリサイクルの食品廃棄物リサイクル工場(福岡市西区太郎丸)は、J&T環境グループにおいては九州エリア初の食品リサイクル施設として昨年1月に稼働。2020年9月の会社設立から3年余を経てのスタートとなった。
J&T環境は、焼却発電や廃プラスチックの再資源化を柱に多種多様な廃棄物・リサイクル事業を展開する中、2016年に食品リサイクル事業
に参入。バイオガス発電施設において、福岡バイオフードリサイクルは全国で6カ所目の拠点となる。
福岡市西区の食品廃棄物リサイクル工場では、食品廃棄物(最大100トン/日)を受け入れ、微生物の力で発酵させることで発生するバイオガスを燃料に発電。発電出力は1,560キロワット、年間想定発電量は12,000メガワット時(一般家庭の年間電力使用量の約2,700世帯分)を有する。発電した電力はJFEグループの電力小売事業者アーバンエナジー㈱を通じて地元事業者などに供給し、エネルギーの地産地消を目指している。
また福岡バイオフードリサイクルでは、これまでに約1,350人の工場視察を受け入れ、地域のイベント等にも積極的に参加している。中川浩臣社長は「より多くの方々にリサイクルは身近なものという認識を醸成していきたい」と語る。

(図)食品リサイクル事業拠点紹介

福岡市以外からも受入開始

当初、事業系一般廃棄物の受け入れは福岡市内からに限定されていたが、今年1月、農林水産省、経済産業省、環境省から再生利用事業登録を受け、福岡市以外からの受け入れも可能となった。同社の中川社長は「隣接する糸島市を始め、福岡市周辺市町からの受け入れを拡大していきたい」考えだ。

(図)ダブルリサイクルループ

「発電」と「肥料」で
ダブルリサイクルル―プ形成

また、処理過程で発生する発酵残渣(ざんさ)汚泥を肥料として活用することを計画しており、昨年12月、農水省の登録を受けた。
登録を受けたのは液体肥料と固形肥料の2件で、微生物を使って食品廃棄物を発酵し、発電の燃料となるバイオガスを発生させた残渣物(消化液)を液肥、消化液を脱水した汚泥を固形肥料とする。
液肥を「ふくのしずく」、固形肥料を「ふくのみのり」と名付け、現在近隣農家などで試験利用しており、工場の稼働が計画値で推移した場合、液肥は約200トン/日、固形肥料は約20トン/日の量に上るという。横浜市、千葉市、仙台市、愛知県小牧市で展開しているJ&T環境の食品リサイクル工場でも同様に残渣の肥料化を進めている。
中川社長は「食品廃棄物の受け入れ拡大と汚泥の肥料登録を機に、より多くの事業者様に再エネ電力をご利用していただく仕組みの確立や残渣汚泥肥料による地域農業への貢献という『ダブルリサイクルループ』の形成をさらに進めていきたい。この食品リサイクル事業を通じて、地産地消による循環型社会の形成、SDGs実現に貢献していく」と決意を新たにしている。

中川浩臣 社長
なかがわ・ひろたか/東京都葛飾区出身。1968年8月8日生まれの56歳。青山学院大学理工学部卒。卒業後、東京電力HD㈱に入社。火力発電、人事、システム、事業開発など多岐にわたる部門を歴任。2022年J&T環境㈱入社、食品リサイクル事業部に所属。22年9月に福岡バイオフードリサイクル㈱代表取締役に就任。事業立ち上げに尽力し、24年1月より事業開始。趣味は登山。座右の銘は「何かを学ぶのに、自分自身で経験する以上によい方法はない」

 

 

採用情報
募集職種/技能職、技術職、事務職(新卒採用)
応募資格/高校卒、専門学校卒、高専卒、大学卒、大学院卒
採用実績/2025年度15人(J&T環境㈱での採用実績)
年間休日/122日
問合せ先/TEL.044-330-9474
担当/山本(J&T環境㈱人事部)

(ふくおか経済EX2025年)


会社情報COMPANY PROFILE

会社名
福岡バイオフードリサイクル(株)(JFEグループ) (フクオカバイオフードリサイクル(カ,ジェイエフイーグループ)
代表者名
中川浩臣
所在地
【本社】〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2-7-27 【工場】〒819-0384 福岡市西区大字太郎丸790-1
TEL
092-834-5885
企業ホームページ
https://fukuoka-bio.co.jp/
設立
2020年9月
創業
資本金
1,000万円
従業員数
14人