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100周年に向けた構造改革で飛躍

（写真右上）上から300人を越える行列ができた「七宝麻辣湯　天神西通り店」
（右中央）セブンイレブン併設店にリニューアルを推進
（右下）色とりどりの波佐見焼

石油事業、飲食事業など展開の増田石油㈱を中核に多角化経営を進めるBEYONDグループ。今年２月には、麻辣湯(マーラータン)専門店のFC事業をスタートし、飲食事業の新た軸として展開を強化していく。来年2026年に迎える100周年に向け、さらなるグループの総合力強化を目指す。

多角化経営加速、麻辣湯専門店のFC事業スタート

石油製品の卸売、小売を展開する中核会社の増田石油㈱は、2023年に持株会社「㈱BEYOND（ビヨンド）」を設立し、新たなスタートを切った。26年に迎える100周年に向け非石油事業を強化し多角化経営を加速。今年2月には中央区大名2丁目に麻辣湯専門店「七宝麻辣湯（チーパオマーラータン）　天神西通り店」を九州初出店した。
本部企業の㈱ダイニングイノベーション（東京都渋谷区）とFC契約を締結しており、今後2年で九州10店舗展開を目指す。天神西通りの立地かつ関東ですでに認知度があることから今回の九州初進出に高い注目が集まり、オープン日には300人を越える行列ができた。「予想以上の反響をいただくことができた。まずは博多、西新、そして熊本など九州全域に進出したい。既存のコメダ珈琲店のFC事業に次ぐ飲食事業の柱にできれば」と増田成泰社長は見据える。

（写真）フィロソフィー勉強会

企画力でEC事業好調、既存事業も強化

22年からスタートしたEC事業も好調に推移している。釣具用品を中心としたアウトドアブランド「UMIBOZU（ウミボウズ）」を展開する㈱DOMODOMO、波佐見焼ショップ運営の㈲松尾商店をM&A。それぞれが持つコアなファン層を基盤にブラッシュアップを図りながら営業を強化してきた。商品企画も進めており、DOMODOMOでは釣具だけでなくキャンプ分野の商品開発を進めるほか、松尾商店では既存の波佐見焼ブランド「natural69（ロック）」に加え、よりスタイリッシュをコンセプトに、新ブランドの立ち上げを計画している。
一方で、主力のガソリンスタンド事業も堅実に展開している。近年は、より地域から必要とされるサービス提供に向け、福岡・鹿児島に計13店舗展開するガソリンスタンドのうち5店舗をセブンイレブン併設店として展開。スタッフの隙間時間を有効活用できることで利益率も高まった。「脱炭素化に伴う石油市場の縮小が予想されてきたものの、EV販売の減速などもありまだしばらくは石油のニーズは途絶えないだろう」と話す。
また、昨年4月には太陽光関連事業を展開する㈱日紅コンストラクション（広島市）と資本業務提携を締結。太陽光発電設備の土地の取得、設備設計、施工を内製化しており業界内でも高い評価を受けている同社と連携することで、太陽光発電設備による再生可能エネルギーを通したカーボンニュートラルを推進する。さらに、昨年6月にはアトモスエネルギー㈱（東京都）とLPガス事業に関する事業会社「マスダガス&リテイリング㈱」を設立し、事業基盤を強化するなど既存事業の強化も図った。

社員の成長を後押しする社風

「次代を見極め、迷わず未来を変える」をパーパスの最上位概念に据え、人材育成を進めてきた。管理職の経営者マインド育成のための「マスダビジネススクール（MBS）」や問題解決力を学ぶ「若増会（わかぞうかい）」など独自の多様な学びの環境を整えている。「グループを支える、未来志向で進化する人材を育成していきたい」と増田社長。社会変化に柔軟に対応し、次のステージに向けて歩みを進める。

増田成泰 社長 ますだ・しげやす／長崎市出身。1971年10月28日生まれの53歳。慶應義塾大学商学部卒。趣味はランニング、読書

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