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RO膜洗浄事業とアジア市場開拓で
循環型社会に貢献

(写真)RO膜の洗浄工場内部。洗浄工程における緻密なデータを活用した新ビジネスの創出にも期待が高まる
循環型社会への貢献が期待されるRO膜洗浄工場が昨年12月に本格稼働した。同工場では抽出データを活用した新たなビジネスチャンスの可能性を広げるなど、今後の動向に注目が集まる。M&Aによる事業拡大や海外展開も本格化。55周年を迎え、100年企業に向けた成長戦略に磨きをかける。
RO膜洗浄に新ビジネスの可能性も
昨年8月に本社横の敷地内に完成し、12月から本格稼働しているRO(逆浸透)膜の洗浄工場が、新たなビジネスの可能性を広げている。
これまで数回使用し目詰まりが起きたら廃棄、または現場での簡易洗浄で対応するのが主流だったRO膜。その再利用を目的に建設された同工場は、懸念されていた廃棄物問題の解決や環境負荷の低減にも貢献するものと期待されており、「サステナブルへの移行が求められる中、RO膜の再利用は循環型社会の実現に向け重要な役割を果たす」と嶋村社長もその存在意義を強調する。
同工場は年間最大5,500本の膜洗浄と性能試験に対応可能。同社のプラントだけでなく、他社の膜洗浄にも対応しており、洗浄済みの膜は今後再販も計画している。
またすべての膜にはシリアルナンバーが付与されており、使用環境や洗浄履歴、使用薬剤の種類や量などのデータをすべてクラウドで管理。過去のデータを基に洗浄効果の予測や最適な薬剤使用量の推定が可能となっており、この洗浄工程から抽出された数値データや知見を新たな領域でも生かす実証も始まっている。この取り組みには、製品洗浄で大量の水を必要とする半導体工場や純水メーカーなどが高い関心を示しており、蓄積したデータをリソースとして活用することでビジネスの幅を広げるきっかけにもなっている。水処理用途だけでなく、濃縮目的の需要も拡大しているRO膜。今後も洗浄事業へのニーズは高まると見込まれ、早くも洗浄スペースの拡張が検討されている。
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(写真)24年秋にベトナムであった上下水道分野の国際展示会「ベトウォーター」に2年連続出展。東南アジアでの市場開拓に弾みをつけた |
横浜の排水処理メーカーを傘下に
既存ビジネスも着々と事業を拡大している。今年2月には、横浜市神奈川区の排水処理機器メーカー、新港テクノ㈱の全株式を取得し、子会社化。排水処理分野での事業基盤の強化と関東地区での市場開拓を加速させる基盤を作った。
同社は長年にわたり培った高度な排水処理技術が評価されており、大手食品メーカーや化学メーカーなどとの取引実績も豊富。ゼオライトの排水処理分野での競争力強化はもちろん、両社の技術力を統合することで、より高度で効率的なソリューションの提供が可能となり、国内市場での競争力を一層高めていく。
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(写真)今夏レンタル開始予定の新タイプの浄水器「グレイスプラス」 |
東南アジア市場での開拓に活路
今年は海外展開に向けた動きも本格化しそうだ。近年は水資源に乏しい中東や東南アジアでの市場開拓を目指し、さまざまな国際展示会にも出展。同社の浄水技術を積極的にPRしてきた。特に食品工場や商業施設など排水の再利用が可能な日量50~2,000㎥/日の施設に向けては大きな注目を集め、すでに現地企業とのパートナーシップ締結交渉も進行中。順調にいけば今年中には現地パートナーとの協業にこぎつけ、今後の発展に弾みをつけたいところだ。
また、新たな取り組みとしては、陸上養殖施設向けの水処理システムの実証実験がスタートしたほか、浄水器事業では有害物質として問題視されているPFAS(有機フッ素化合物)を除去できる最高水準のROフィルターを採用した、炭酸水機能付き新型浄水器「グレイスプラス」のレンタルを今夏にも開始する。
今後も持続可能な社会の実現に向けて、多角的なアプローチで事業を拡大していくゼオライト。55期を迎える中、100年企業に向けた成長戦略にさらに磨きをかけていく。
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嶋村謙志 社長 しまむら・けんし/宗像市出身、1974年1月31日生まれの51歳。西日本工業大学機械工学科卒。16年8月から現職。趣味はドライブ |
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(ふくおか経済EX2025年)