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共生・循環型酪農プロジェクトで「新たな産直」を実現

西日本地域を中心に16の生協と43万人の組合員が集うグリーンコープは、酪農生産者と真の産直関係を構築するため、飼料製造から、乳牛の飼育、びん牛乳生産までを一貫して行う「共生・循環型酪農プロジェクト」が本格始動した。

新しい産直びん牛乳で「真の産直」をカタチに

グリーンコープは、グリーンコープの未来を切り拓くため「新たな産直びん牛乳事業」の実現に向けて動き出した。大分県の下郷農業協同組合、耶馬渓酪農組合と3者の共同参画で行う共生・循環型酪農プロジェクト。新しい産直びん牛乳事業で、飼料の製造から酪農、牛乳の製造まで生産者が経営に参画する「真の産直」を実現する。

牛乳と未来を詰めるびん牛乳工場、始動

酪農プロジェクトの中核である大分県中津市山国町のびん牛乳工場「グリーンコープミルク」が2025年3月8日、ついに稼働した。6,967 ㎡の敷地に2 階建て、延べ床面積3,502 ㎡の工場で、機器を無駄なく配置し、1 時間に6 千本、年間700 万本生産できる仕組みを確立した。施設内のタンクで保管した生乳は、専用の殺菌機でパスチャライズ殺菌（72 ℃15 秒殺菌）し、生乳本来の風味や栄養を残しつつ人体に有害な菌を死滅させることができる。ホモゲナイズ加工（脂肪球を均一化する技法）を施さず、より生乳に近い味わいの「びん牛乳 ノンホモ」、ホモゲナイズ加工を施し、すっきりとした味わいの「びん牛乳 パスチャライズ」、パスチャライズ殺菌した牛乳にコーヒーと砂糖をブレンドした「わが家風 カフェミルク」の3 商品をリニューアルし、満足度の高いびん牛乳を供給する。また、紙パックではなく繰り返し使えるびんに牛乳を充填することで、おいしさを保つだけでなく、循環型社会の実現に向けたグリーンコープの強い意志も表している。日高会長は、「中津市長や生協関係者とともにびんに牛乳が充填されていく様子を見届けたときは感無量の思いだった。組合員の思いが詰まったびん牛乳をぜひ多くの人に飲んでほしい」とほほ笑む。

（写真）リニューアルしたびん牛乳。左から「びん牛乳 ノンホモ」、「びん牛乳 パスチャライズ」、「わが家風カフェミルク」

乳牛の飼料を国産へ

国産飼料の安定供給を図るべく、2024 年10 月から大分県日田市の飼料製造施設「TMR センター」※ が稼働。年間1 万5 千トンの生産能力で、稲やトウモロコシ、牧草などを原料にした飼料のほか、グリーンコープの取引先の食品製造副産物であるウイスキーかすやくず米なども利用した混合飼料も製造し、無駄なく栄養価の高い飼料を供給する。また、青果、米生産者の協力のもと耕作放棄地などを活用した飼料用作物の栽培も進めている。
※TMRとはTotal Mixed Rationsの頭文字で「混合飼料」「完全飼料」などとも呼ばれ、栄養を考えながら粗飼料と濃厚飼料を混ぜ合わせて牛にエサとして与える方法。

（写真）TMRセンター

1,000頭規模の牧場「耶馬渓ファーム」

大分県中津市耶馬溪町に約8.3ヘクタールの広大な土地に、1,000頭規模の牧場「耶馬溪ファーム」が2026年春に完成を迎える。標高420ｍの中山間地で澄んだ空気の酪農場を活かし、牛舎の通路を広く設計するなど、乳牛にストレスを与えない飼育を進める。
豊かな大分の自然の中で営む酪農プロジェクト。グリーンコープでは、酪農場、びん牛乳工場がある山国川流域の環境保全に取り組む「山国川漁業協同組合」と協力して豊かな自然を守るとともに、地域交流も図っている。TMR センターで作った飼料を耶馬渓ファームの乳牛が食べ、その生乳で生産したびん牛乳を飲める日が待ち遠しい。

（写真）耶馬渓ファーム

採用情報
募集職種／酪農スタッフ
応募資格／不問。ただし普通車免許必要（通勤のため）
採用実績／2024年度4人
採用予定／5人（臨時採用）
年間休日／96日
問合せ先／TEL.080-5821-6124
担当／佐川

（ふくおか経済EX2025年）