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DX推進をけん引する九州・沖縄になくてはならない企業へ

㈱NTTデータ九州は情報サービス業国内最大手、㈱NTTデータの地域会社として発足し、今年7月で20周年を迎える。公共、金融、法人の3分野を柱に成長し、近年はデジタルビジネスを強化。企業に持続的な成長・発展をもたらすとされるDXの推進をけん引する「九州・沖縄になくてはならない」企業を目指している。

公共、金融、法人分野を柱に成長

同社は2003年7月に前身のNTTデータ九州テクシス㈱と親会社㈱NTTデータの九州支社との統合・再編で誕生。以来、NTTデータグループにおいて九州・沖縄地区を代表する企業としてITで変革を支えるパートナーを目指し、公共、金融、法人分野を柱に業容を拡大してきた。15年4月に福岡のグループ会社から法人部門を承継し、社員400人超の体制となると、売上高はその15年度に100億円を突破。22年度は2期連続の150億円超えを見込んでいる。
そのフィールドは、情報システム構築などにおけるNTTデータグループとの協業をはじめ、独自開発した図書館・大学関連、中小企業向けERP（基幹系情報システム）、公営企業財務などの業務パッケージソフト提供を通じて全国に広がっている。

企業・自治体のDX化を支援

近年デジタルビジネスを強化してきた同社には今、企業や金融機関、自治体からのDX化の問い合わせが増加しているという。特に既存のレガシーシステムを刷新するモダナイゼーションが加速しており、同社ではこれを効率良く進められる汎用のクラウドサービスを組み合わせたシステム開発に注力。クラウド活用のシステムは、オーダーメードよりも開発スピードが早く、コストダウンになる事例も多い。また、新たに普及してきた業務手法をいち早く取り入れられ、価値を生み出すDX化を加速させられるメリットもあるため、この手法を軸にDX化の最適提案を進めていく方針だ。
高まる市場ニーズに応えるため、AWSやTableau、servicenowといったDX関連の資格保有者を増やすなど、より高度な専門性を持った「人財」の育成を強化し、九州におけるDX推進のけん引役を目指している。

共創型事業の創発に挑戦

また、社長直轄組織に属するクロスイノベーション推進室を中心に共創型事業の創発にも挑戦している。DX化の支援では、ワークショップの開催など“顧客との共創型サービス”や、“デザイン志向をベースとしたスマホアプリなどのUI/UXコンサルティング”の提供を開始。共創展開する「稼ぐ商店街プラットフォーム STOREAD」事業では昨年、福岡市の西新中央商店街にて地域活性化や健康増進サービスの提供を開始している。
さらに、NTTデータが提供するVR技術を活用した野球の打撃トレーニングシステム「V-BALLER」の販売代理店事業を開始するなど、新たな領域の開拓も推進している。

「健康経営優良法人」に4年連続で認定

一方、働き方改革に積極的な同社では新型コロナが発生した20年、テレワーク環境のシンクライアントを導入して在宅勤務をより推奨するとともに、フレックスタイム制度も導入し、さらに柔軟な働き方を推進。また、経済産業省の「健康経営優良法人」に4年連続で認定されたほか、昨年2月には厚生労働省の「子育てサポート企業」に認定された。こうした働きやすさの追求で多様な人材を確保し、「九州・沖縄になくてはならない」IT企業を目指す。

佐藤 歩 社長 さとう・あゆむ／大分県出身。1972年9月30日生まれの50歳。早稲田大学理工学部卒。97年4月現㈱NTTデータ入社。一貫して公共システム部門を歩み、19年6月㈱NTTデータ九州の取締役経営企画部長に就任し、20年6月社長に昇格。趣味はゴルフ、ジョギング

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（ふくおか経済EX2023年）