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障がい者を戦力に—。CSRと品質でニアショア案件を拡大

首都圏からのニアショア開発を中心に事業拡大を図る㈱else if(エルスイフ)。障がい者就労継続支援A型事業所・㈱カムラックと資本提携し、協業体制を構築することでITを軸とした新しい障がい者雇用の仕組みを創出している。

起業の道筋を立てた一つの出会い

障がい者就労継続支援A型事業所を運営する㈱カムラック(賀村研社長)の関連会社として2015年8月に設立した㈱else if。同社を立ち上げた高森社長は「始まりは4年ほど前、賀村社長に出会った頃」と語る。

当時は互いにIT企業に勤務しており、「IT業界を変えていこう」と語り合ったという。その後、2013年10月に賀村社長がITを活用した障がい者就労支援事業で会社を設立。社会貢献度が高く将来性のあるビジョンに高森社長が賛同し、資本提携をする形でエルスイフの立ち上げに踏み出した。

エルスイフは、現在首都圏からのニアショア開発を中心に事業拡大を図っている。その成長の背景にあるのは、カムラックとの協業体制で生まれる社会貢献という付加価値と、品質の高さだ。

カムラックとの協業体制で差別化

カムラックは現在、本社機能を兼ねる呉服町事業所と県庁前事業所の2拠点を設置しており、約50人の障がい者が就労している。一般的に軽作業を業務内容にしている事業所が多い中、同社ではITを軸に展開。スキルの成長度に合わせて、アプリ開発からWebデザイン業務、データ入力作業などの仕事を任せている。「障がい者のメンバーも、健常者に引けをとらないITスキルを身に付けている」とし、エルスイフの受注案件をカムラックのメンバーに受託する形で協業体制を構築。実際に、営業先の企業からも社会貢献に賛同する声が多く、高森社長は「当初はCSR(企業の社会的責任)への取り組みを意識して受注をいただくことも多かったが、最近では品質自体の評価が高まり継続した契約をいただいている」と自信をうかがわせる。

活気あふれる開発現場の風景

障がい者を必要不可欠な戦力に

設立以降、大型案件も舞い込み業務領域を拡大している2社。単なる就労支援ではなく、障がい者、健常者関係なく「“プロの技術集団”であること」がモットーだ。

「必要不可欠な戦力。彼らに仕事をしてもらわないと案件がこなせない」と賀村社長。特に近年では、障がい者メンバーがプロジェクトを立ち上げオリジナルのアプリ開発などに着手。また、熊本地震をうけ「被災地のために何かをしたい」と復興支援の物販サイトを開設するなど意欲的に力を発揮している。これらの業務体制は「新しい障がい者雇用の形」としてメディアでも多数で紹介されているほか同業からも注目が集まり、事業所には日々視察の申し入れがあるという。

「ご来社いただくお客さまも、活気あふれる現場に驚かれる。実際に見ていただき知っていただくことで、さらなる取引拡大につながっている」と高森社長。現在では、事業拡大に伴い営業職をはじめとしたエルスイフの人材確保にも奮闘中だ。

障がい者雇用の常識を変えよう—。2社が目指す将来像は着実に現実のものになりつつある。

高森啓二 ㈱else if社長(左)
たかもり・けいじ/大分市出身。1972年8月18日生まれの44歳。大分県立情報科学高校卒業後、大手システムインテグレーター会社に就職。約20年勤務し、福岡拠点の責任者などを務め、2015年8月に同社を設立した
賀村研 ㈱カムラック社長(右)
かむら・けん/愛媛県伊予郡砥部町出身。1972年1月31日生まれの45歳。日本大学農獣医学部卒業後、東京で大手ゼネコン、ITベンター企業に勤務。その後福岡でシステムエンジニアリングサービス会社などを経て2013年10月に同社を設立した

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福岡発アイドル「LinQ」のリーダー・天野なつさんがカムラックの公式イメージキャラクター

(ふくおか経済EX 2017より)


会社情報COMPANY PROFILE

会社名
(株)else if(カムラックグループ) (カ)エルスイフ)
代表者名
高森啓二
所在地
812-0044 福岡市博多区千代4-1-33 西鉄千代県庁口ビル3F [MAP]
TEL
092-651-3434
企業ホームページ
http://www.elseif.jp
設立
2015年8月
創業
資本金
700万円
従業員数
10人