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創業100周年、設立70周年を見据えた企業形成を目指す

（写真左）今年5月に竣工予定の「iN SHAPE大手門」
（中央上）大手門3丁目のエントランスパース図
（右上）ibb Bloom Tenjin外観
（右下）本社事務所が入居する「ibb CORE港」

2023年11月、不動産開発業・廣田商事㈱設立60周年を機にホールディングス体制へ移行し、持ち株会社「㈱ヒロタグループ」を設立して2年目を迎えた。廣田商事㈱を筆頭に不動産仲介・管理の㈱ハーベストプランニング、起業家育成・IPO支援の㈱アイビービーの力を結集し、新領域の可能性を追求していく。

創業者・廣田善吉氏が福岡を拠点に事業を興して以来、2代目社長・廣田杉雄氏から起業家精神を受け継ぎ、福岡経済の発展とともに不動産開発および管理分野で地域振興、活性化に寄与し続けてきた廣田稔社長。2023年11月、不動産賃貸管理を手掛ける廣田商事㈱「設立60周年」を機にホールディング（HD）体制へ移行し、持ち株会社「㈱ヒロタグループ」を設立した。
HD化に伴い、㈱ヒロタグループを親会社にグループ全体の経営管理を統括。廣田商事㈱と不動産仲介・パーキング事業の㈱ハーベストプランニング、インキュベートオフィス事業、起業支援・IPO支援の㈱アイ・ビー・ビーのグループ3社を結集することで、意志の迅速化および不動産業を軸とした新たな経営基盤づくりを目指している。「今後は8年後の設立70周年、3年後の創業100周年を見据えた企業体の形成とスローガン『Create & Connect33』を視野に入れた動きを活発化させる」廣田社長は意気込む。
同社グループでは、これまで県内初となる敷地内完全禁煙賃貸マンション「iN SHAPE大濠」をはじめ、子育て支援を目的とした保育園併設型マンション「ibb wish長丘」、防音スタジオ付きマンション「ibb Db桜坂Launch」、第2弾完全禁煙賃貸マンション「iN SHAPE港」など福岡市内に約20棟の不動産物件を展開。また、ベンチャー起業家が提案したアイデアを内装や外観デザインに反映させた物件として大きな話題となったスモールデザインオフィス「ibb Bloom Tenjin」など、個性的なデザイン空間も実現している。

不動産事業を柱に事業領域を拡大

また、昨年4月には福岡市中央区大手門3丁目に10階建て賃貸マンションを着工。第3弾となる完全禁煙賃貸マンションシリーズ「iN SHAPE大手門」は敷地面積144.6㎡、建築面積91.2㎡、延べ床面積685.5㎡。完成は今年5月下旬を予定するなど、入居者ニーズに対応した立地条件と利便性、設備や安全性に配慮した開発物件で差別化を図っている。
廣田商事㈱のインキュベーション事業部門として始動した㈱アイ・ビー・ビーも昨年7月に設立15周年を迎え、これまで数多くのアントレプレナー（起業家）とIPO企業を輩出。創業から数年経過した経営者向けのプログラム「ibb BizCamp」が昨年5月で10年が経過し、10期生を最後に総勢142人もの有志経営者が巣立った。今後、各分野でさらなる企業成長と活躍が期待されている。㈱アイ・ビー・ビーでは同プログラムに続く新たな実践型プログラム「ibb Biz Climb（クライム）」を24年11月からスタート。1期生10人が今年6月までの8カ月間を「成長を続ける覚悟」を固める特別な時間として、豪華なゲスト講師陣とともに研鑽し合っている。

“自立自走する企業グループ”へ

長期ビジョンの新年度となった2024年12月期グループ売上高では、当期目標を上回る11億円を達成。「これまでは既存所有物件を対象とした賃貸収入に依存していたが、今後は不動産管理に付帯する各種サービス事業に参入し、グループ力を強化していきたい。将来的には自社物件の保守管理に付随する業務を自社グループで手掛けることが次の目標」と廣田社長は意欲を見せる。
人口増加が見込める福岡都市圏を背景に、「今後は“自主独立”から1歩進めた“自立自走する企業グループ”を目指す。福岡の発展に少しでも貢献できるものを創っていきたい」。廣田社長が見つめる視線の先には、確かな青写真が存在している。

廣田稔社長 福岡市出身、1963年10月15日生まれの61歳。福岡大学法学部卒。趣味はソロドライブ、ソロシネマ鑑賞

（ふくおか経済EX2025年）