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この美しい太宰府を次世代に」37年の行政経験生かす 髙原太宰府市長


週刊経済2026年2月25日発行号

新任首長インタビュー抜粋

1月に就任した太宰府市の髙原清太宰府市長は、本誌3月号「新任首長トップインタビュー」に応え、市長選に出馬した経緯や公約に掲げた政策について語った。以下、インタビューを抜粋。

―昨年12月の太宰府市長選挙で初当選した。まず、市長選への出馬を決めたきっかけや経緯について。

髙原 私は2024年の3月まで37年間、太宰府市役所に勤めていた。都市整備部や総務部など、さまざまな部署で市政に携わってきた私から見ても、太宰府市は歴史と自然に彩られた、本当に素晴らしい故郷であると胸を張って言える。その一方で、市民生活に直接的に影響を与えるような課題が顕在化している実情もある。こうした課題と正面から向き合い、なんとしても先人たちから受け継がれてきたこの素晴らしい太宰府を、次世代に引き継いでいかなければならないという思いが、市長選に立候補した最大の理由。

―公共施設の老朽化対策や公共交通システムの構築など、掲げられた公約も市の課題解消に向けた政策が多くを占める。

髙原 周囲には、公約としては地味すぎるとのご指摘も受けたが、次の世代にこの太宰府市を、責任を持って引き継いでいくために、まずは計画的に何をしなければならないのか、何を着実に遂行していくべきか、「実現可能性」を熟慮した上で自分なりに優先順位をつけ、公約に落とし込んだつもり。現在の太宰府市は、決して財政的に余裕がある状態ではなく、まずは限られた財源の中で喫緊の課題を解消していくことが大切だと考えた。

―1月5日の初登庁時の挨拶では、「この美しい太宰府を次世代に」という言葉が印象的だった。

髙原 選挙戦の時から繰り返していたフレーズだが、私は心の底から、今の美しい太宰府市が大好きで、語りつくせないくらいに太宰府市の魅力を理解していると自負している。だからこそ、何としても次世代にその魅力を引き継いでいかなければならない。そのための努力が求められる局面。現在の市民生活における課題を解決することが最優先だが、「次世代」を意識した施策にも力点を置いていく。

―公共施設の老朽化対策では、「いきいき情報センター」を含む西鉄五条駅周辺の整備方針を策定すると掲げている。

髙原 これはまさに喫緊の課題。現在の「いきいき情報センター」の施設には、かつて大手スーパーが入居していて、五条駅前地区のにぎわいの中心地だった。しかし、スーパーが撤退してからは市が公共施設として運用してきたが、やはりかつてのようなにぎわいは取り戻せていない状態。施設自体も築50年近くが経過して老朽化が著しく、この施設とエリアをどのように扱っていくのか、新たな指針が求められている。これ以上、棚上げにはできない課題だと認識しているので、再整備に向けた検討には、早急に着手していきたいと考えている。

―市民からはどのような要望があるか。

髙原 選挙期間中にも、「以前のような活気ある五条にしてほしい」という声が多く聞かれたほか、「また1階にスーパーを入れてほしい」という声も多かった。前提として施設の老朽化という課題があるので、今の状態のままテナントを誘致するわけにはいかないが、さまざまな角度から実現可能性を検討していきたいと考えている。

―地域に最適な公共交通の構築については。

髙原 高齢者の方々を中心に、市内の移動はバスが重要な移動手段となっているが、バス路線の減便や休廃止などで、非常に移動が難しくなったエリアも見られている。特に最近は、ある程度の年齢に達したら「免許返納」が求められる風潮もあるので、バス路線がなくなると生活に直結する世帯もある。そうした「交通空白」をつくらないために、継続的に公共交通のあり方を見直していかなければならない。

太宰府市では、コミュニティバスの「まほろば号」を運行しているほか、ちょうど1月からは、AIオンデマンドバス「のるーと」の実証運行も始まった。これは、AIで最適なルートを導き出して効率的に運行する最先端の交通モード。こうした手段を活用し、如何に必要とされるエリアで、効果的・効率的に運用していくかがカギ。そしてこの課題については、とにかく「市民の声」をきめ細かく拾上げることが重要だ。そのエリアの住民の方々が何を求めているのかを抽出し、画一的ではなく、地域の事情に応じた交通体系を整備していくつもり。