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再生可能エネルギーを活用した「マイクログリッド」実証実験 トヨタ自動車九州


週刊経済2025年11月5日発行号

ダイハツ、豊田中央研究所と連携

地場車体メーカーのトヨタ自動車九州㈱(福岡県宮若市上有木、長木哲朗社長)は10月7日、トヨタグループのダイハツ工業、豊田中央研究所と連携し、小倉工場で再生可能エネルギー(以下 再エネ」)を活用したマイクログリッドシステムの実証実験を開始した。

ダイハツと豊田中央研究所が共同開発した、再エネで発電した電力を変換する際のエネルギー損失を最小限に抑えることができる高効率な電力変換器「スマートパワーハブ」(SPH)を活用し、太陽光発電で作られた電気を部品製造ラインに供給するとともに、余った電気は蓄電池に貯めることで、効率的に電力を活用するマイクログリッドシステムを構築する。SPHの導入により、エネルギーロスを従来比で45%削減できるという。実際に稼働している製造ラインでの実証を通じて、システムの有効性と信頼性を確認し、将来的にはエネルギーの地産地消や、日中に蓄電した電気を夜間に使用するピークシフトを実現し、CO2排出量の削減につなげていく計画。

岩原信隆副社長は「当社は2035年の工場カーボンニュートラル実現を目指し、太陽光発電や蓄電設備、燃料電池などの技術実証を小倉工場で推進している。今回の実証実験で得られた知見を、再エネの有効活用に活かし、持続可能な社会の実現に貢献していきたい」とコメントしている。