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NEDOの量産化実証採択を服部知事に報告 KAICO


週刊経済2025年10月29日発行号

ブタ用経口ワクチン・飼料添加物の量産化実証

九大発スタートアップのKAICO㈱(福岡市西区九大新町、大和建太社長)は10月17日、福岡県庁の服部誠太郎知事を訪ね、同社が取り組んでいる「ブタ用経口ワクチン・飼料添加物の量産化実証」が国のディープテック・スタートアップ支援事業に採択されたことを発表した。

県の支援を受けている同社は、カイコを介して医薬品やワクチン開発などを行う独自のプラットホームを構築し、ブタの免疫力維持をサポートする飼料を開発、ブタ用飼料添加物として製品登録されている。すでに2023年には国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のPCAフェーズ(実用化研究開発(後期))に採択されていたが、今回は量産化実証のDMPフェーズに採択されたことで、量産化に向けた取り組みがさらに加速されることになる。

報告会には大和社長のほか、久留米市選出の原口剣生県議、久留米市の牧野浩史副市長、㈱久留米リサーチパークの田代裕靖専務らが出席。大和社長がこれまでの成果や今後の事業戦略などを説明した後、原口県議、牧野副市長が同社の功績を称え、県のさらなる支援を要請した。報告を受けた服部知事は「これまで研究助成をさせていただき、一緒に歩んできたという思いが強い。ブタ用経口ワクチンとしても活用できる飼料添加物は人手不足や障がいがある人の働く先の確保にもつながり、県が取り組むワンヘルスとも親和性の高い事業。引き続き全力で支援していきたい」と述べた。