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2029年度入学からトランスジェンダー学生を受け入れ 公立大学法人福岡女子大学


週刊経済2025年9月3日発行号

多様化する時代に対応

公立大学法人福岡女子大学(福岡市東区香住ヶ丘1丁目、向井剛学長)は、2029年度入学からトランスジェンダー学生の受け入れを開始する。

女性性や男女性別の概念が大きく変化し、性の多様な在り方が社会に受け入れられつつある時代背景に対応し、身体的性に基づく戸籍上の性別は男性であるが、女性としてのジェンダーアイデンティティを持つトランスジェンダー女性の受け入れを決めた。トランスジェンダー学生の受け入れ決定の準備として2022年5月から12月まで設置した「受入検討チーム」の情報収集や論点整理の結果を受け、23年5月に「受入検討委員会」を設置し、外部専門家による研修会、学生との意見交換会などを通じてトランスジェンダー学生を受け入れた場合に必要な措置について審議。同委員会が「受け入れを可とする」とする意見書を学長に提出し、受け入れ方針の学内検討などを経て、25年3月に正式決定した。向井学長は「ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包摂)からなるDEIの考え方には、日本社会が美徳としてきた『一様』『同調』や『結束』などとは異質なところはあるが、これこそが未来を拓く鍵。多様な女性の在り方を尊重することを基本方針に、本学で学びたい希望を持つ学生を受け入れ、次代の女性リーダーを育成していく」と話している。