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9月めどに本社裏手にFRP工場稼働 ナッツ


週刊経済2025年9月3日発行号

キャンピングカーの外装を生産

国内最大手キャンピングカーメーカーの㈱ナッツ(遠賀郡遠賀町尾崎、荒木賢治社長)が同町内に建設していたFRP(繊維強化プラスチック)工場が9月完成、近く稼働する。

同社はキャンピングカーを年間1200台生産。2030年度までに3千台の増産を目指しており、生産性と品質向上を図るもの。製造から品質管理まで一貫体制を構築しており、現在、自社工場は本社と北九州若松の国内2カ所と、中国大連、フィリピンセブの海外2カ所をもち、国内3カ所目の工場になる。場所は国道3号、戸切交差点東側の本社裏。敷地面積は約4290㎡。工場は平屋建て1485㎡。主に、強度と弾力性、衝撃の吸収と発散に優れているとされるFRPを用いたボディを製造する。すでに中国やフィリピンにFRP製造設備はあるが、国内で最新技術を導入して量産し、将来的には異業種産業への参入を見据えているという。荒木社長は「今後はフィリピン工場への投資を増やし、現地で完成車として輸出する仕組みを整え生産効率を上げていく」と話している。

荒木社長は北九州市戸畑区出身。1960年10月17日生まれの64歳。八幡(現九州国際)大学附属高校卒業後自動車メーカーや化粧品会社を経て、96年にキャンピングカー業界に参入。2021年に一般社団法人日本RV協会の会長に就任。今春、公益財団法人経営者顕彰財団の「2024年度の経営者賞」を受賞。趣味は仕事、ゴルフ、年間出張200日以上。

同社は1993年設立、資本金1千万円。売上高は120億円(24年12月期)、従業員数247人(同)。