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台湾・ProLogium社と戦略的協業を開始 九州電力


週刊経済2025年8月20日発行号

超流体化無機全固体リチウム電池の開発で

九州電力㈱(福岡市中央区渡辺通2丁目、西山勝社長)は7月30日、台湾のProLogium Technology(=ProLogium社=桃園市、Vincent YangCEO)と超流体化無機全固体リチウム電池の開発で戦略的協業を開始したことを発表した。

超流体化無機全固体リチウム電池は、電解質がすべて固体の電池。安全性や寿命、出力など多くの点で電解液を用いたバッテリーを上回る性能を持ち、近年は電気自動車(EV)の電源として注目され、ProLogium社は同電池の開発で優れた技術を持っている。九電は未来の事業を創出するプログラム「KYUDEN i―PROJECT」の一環で22年4月から産業用機械向けリチウム電池パックの製造・販売を行っており、5月に策定した新経営ビジョン「九電グループ経営ビジョン2025」でも2050年に向けて次世代電力貯蔵技術の開発・導入の取り組みをスタートしている。戦略的協業で両社は電池モジュールを大型電動機器や定置用蓄電池向けに提供、エネルギー効率や安全性、持続時間、作業効率を向上させるとともに、厳しい低温環境下でもバッテリー容量が低下しにくい新たな電池技術の実用化を目指す。実用化に向けては、㈱正興電機製作所(添田英俊社長)、双日九州㈱(泉谷幸児社長)との協働で、27年度の販売、量産化を目指す。