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「ジャパン・レジリエンス・アワード2025」で優秀賞 愛しとーと
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週刊経済2025年7月23日発行号
自社開発の身元確認システムが評価
健康食品や化粧品通販の㈱愛しとーと(那珂川市、岩本凌社長)が開発した災害時の身元確認システム「Pedy(ペディ)」が「ジャパン・レジリエンス・アワード2025」(一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会)において優秀賞を受賞した。
同賞は自然災害に強い次世代社会の構築を目指し先進的な活動や技術開発に取り組んでいる企業、団体を評価し、その取り組みを促進するもの。2014年に創設され今年11回目。昨年10月15日から3カ月間募集しており、応募企業の中から内閣総理大臣賞、国土強靭化担当大臣賞、グランプリ賞など8賞で表彰、同社が受賞した優秀賞は35企業団体を選出している。
ペディは災害発生時に迅速かつ正確な身元確認を可能にすることで大規模災害における関連死ゼロを目指すというもの。仕組みは医療従事者と患者数を端末に入力すると、一人ひとりにQRコード付きのIDが発行され、医療従事者は専用端末でコードを読み取ることで、患者の容態や治療状況、処方薬を即座に記録・共有できる。また、情報は即座にテキストデータに変換されるためネット環境がない被災地でも活用できる。さらに、あらかじめ登録された医師にしかアクセスできない高いセキュリティー機能を備え、仮にデータが外部に流出しても非資格者が読み込んだ時点で無効化されるという。
同社では通販ビジネスの基盤であるウェブ開発や物流システムを構築する過程で、同部門を統括する岩本社長が、アワードの存在や医療現場の課題を知ったのをきっかけに、開発中の既存システムを災害活用向けに設計。1月に申請し、人命救助に直結するペディの社会貢献度が評価され受賞に至ったという。岩本社長は「手作りで仕組み自体は非常にシンプルなものだが、平時においても情報共有の迅速化やセキュリティー向上などあらゆる場面で活用できる。今後もさまざまなことに挑戦していきたい」と話している。

