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ドローン活用し北九州の下水道管の点検作業実施 岡野バルブ製造


週刊経済2025年7月2日発行号

他の自治体での展開も視野に

発電プラント用高温高圧バルブ製造業の岡野バルブ製造㈱(北九州市門司区中町、岡野武治社長)は5月30日、北九州市内でドローンを活用した下水道管の点検作業を実施した。

今年1月、埼玉県八潮市で発生した下水道管路の破損に起因すると考えられる道路陥没を受け、国交省が2月に設置した「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」での提言を踏まえ要請した「全国特別重点調査」の一環として着手したもの。

同社は2024年9月、国産小型産業用ドローン事業を展開し、福島第1原子力発電所内の設備調査などで協業関係にあった㈱Liberaware(リベラウェア、千葉市、閔弘圭社長)と資本業務提携。ドローンを活用したプラント設備の点検やDXソリューションの提供に関する取り組みを進めており、今回はその技術を生かし、直径2m以上で設置後30年以上が経過した下水道管・約54㎞のうち、同市小倉北区の西港郵便局近くに敷設された直径2・7mの下水道管(約100m)を調査。管内水位が1m弱の人が侵入できない流域の管内上部における腐食状況やクラック(ひび割れ)の有無を中心に、ドローン飛行で映し出された動画をもとに管の健全度の確認を進めた。残りの調査対象については今年度内の完了を目指す。

岡野バルブ製造では、今後もLiberawareとより効率的な調査体制の確立に向けての検証を進め、今回の北九州市での取り組みを皮切りに、他の自治体での展開も視野に入れていく。