NEWS

  • 地域

来年4月1日から提携3社で経営統合 アトル 連結売上1兆7000億円は医薬品卸首位


 大手医薬品卸業の株式会社アトル(福岡市博多区半道橋二丁目、渡辺自修社長)は四月一日付で、従来から業務提携を進めていた株式会社クラヤ三星堂(東京都中央区、熊倉貞武社長)と株式会社エバルス(広島市、斎藤隆社長)と経営統合し、クラヤ三星堂の完全子会社となる。
 三社は二〇〇〇年十一月、経営全般にわたる業務提携を契約、共同経営研究や資本交換などを進めてきたが、医療用医薬品市場は健康保険の患者負担増で受診抑制傾向にあるなど、厳しい情勢であることから、全国規模での営業展開と経営資源の集約による経営効率化、各エリアにおける地域密着型営業の堅持を目的に、経営統合を行う。まず、四月一日付でクラヤ三星堂がアトル、エバルスの全株式を、株式交換により取得、完全子会社とする。十月一日、クラヤ三星堂を株式会社メディセオホールディングス(以下メディセオHD)と社名変更し、同社を持株会社とするとともに、医薬品卸事業部門を分割して、新たに株式会社クラヤ三星堂を設立する。メディセオHDの代表には熊倉・クラヤ三星堂社長が就任する。渡辺・アトル社長、斎藤・エバルス社長は、四月一日にクラヤ三星堂取締役に就任し、のち十月一日にメディセオHD代表取締役副社長に就任する予定。同社グループは、〇五年三月期の連結売上高で一兆六千八百億円、経常利益二百七十九億円を見込んでおり、業界二位の株式会社スズケン(名古屋市)の売上高一兆六百億円(連結・〇三年三月期)を大きく引き離す。
 アトルは資本金三十九億円、従業員は千四百人、売上高は一千七百七十九億円(連結・〇三年三月期)、経常利益は三十億円(同)、九州全域をエリアとする医療用医薬品中心の卸売業。クラヤ三星堂は売上高一兆二千七百四十五億円(同)、エバルスは売上高一千四百三十二億円(同)。三社はいずれも、武田薬品工業が、医薬品メーカーとして株主の上位を占めている。

2003.12.24 発行 週刊経済より