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350億円かけ小倉駅北口に13階建て本館など建設  平成紫川会社会保険小倉記念病院    10年秋完成移転


 財団法人平成紫川会社会保険小倉記念病院(北九州市小倉北区貴船町、延吉正清院長・理事長)は、JR小倉駅北口の同区浅野3丁目に新病院を建設している。完成は2010年夏で、秋までに現病院から機能をすべて移行して、開院する。総事業費は約350億円。
 場所は小倉駅北口の旧和気耐火工業株式会社跡地で、敷地面積2万7690平方m。新病院は10階建ての心臓病センター、13階建ての本館の2棟で、1階~4階までは共有する。延べ床面積は約8万5000平方mで、現病院の3倍以上の広さになる。1階は放射線関連施設、2階は外来、3階が手術室並びに集中治療室など、4階が医局、管理部門となる。心臓病センターは5階~10階までは病棟、本館は5階~11階が病棟、12階が未定、13階が食堂・特別室になる予定。診療科は循環器科、心臓血管外科、脳神経外科を中心とした19診療科目を予定しており、病床数は658床。その約半数が個室となる。現病院と診療科・病床数に増減はない。隣接して駐車場棟とエネルギー棟も建設する。延吉院長は「社会保険病院・厚生年金病院の中でも社会保険庁の補助金に頼らず移転するのは初めてといわれている。新病院は小倉駅とデッキで結ばれるため、利便性が高まる。老朽化していた病院も新しく、広くなるため患者さんにとって居心地のいい病院になるのではないか。当院の強みである心臓病関連と、がん治療を中心に、これまで以上に高度医療を提供していきたい」と話している。
 同病院は1916年に私立小倉病院として創立。1948年に厚生省に買収され朝日新聞西部厚生文化事業団に経営が委託され、社会保険病院となった。2008年に同事業団から財団法人平成紫川会が引き継いだ。同病院によると延吉院長は日本に心臓カテーテル治療の第1人者で、心臓カテーテル手術年間件数は国内最多の約3000件という。同病院の移転は北九州市小倉地区中心市街地活性化基本計画の1つで、小倉駅北口の活性化や昼間人口の増加などが期待されている。