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採用強化へ、政令市初の「実務経験者」採用枠新設 北九州市
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週刊経済2025年2月19日発行号
技術職では受験可能年齢を引き下げ
北九州市は2月6日、職員採用試験の強化に向けて、行政機関の「実務経験者」専用の採用枠を新設することを決めた。
自治体の採用試験の競争率は、ここ10年で低下傾向が顕著になっており、北九州市の一般職では2014年が15・7倍だったところ、2023年では5・6倍まで低下。採用人員の半数近くを中途採用に頼る現状となっており、優秀な人材確保に向けた対応が急務になっていた。今回発表した実務経験者の採用枠では、二つの区分を新設。「ウェルカム区分」は国や都道府県、市町村など、北九州市以外の自治体で実務経験を持つ人材の区分で、政令市では初の試み。「カムバック区分」は北九州市役所を離職した人材が対象となる。いずれも5年以上の実務経験と61歳以下の年齢が条件となり、選考により退職時より上位の職位で採用する場合もあるとしている。
また、技術職の採用強化に向けた施策も打ち出しており、一般的に大卒以上(22歳)が条件だった「上級区分」の受験可能年齢を20歳に引き下げた。大学3年時点で受験可能となり、次年度(4年次)在学予定の場合は卒業後に入庁する流れとなる。また、大学院進学者については、最大2年間の採用の猶予を認めることも決めた。いずれも「在学中」に就職先を決めることが可能となる。
武内和久市長は会見で、行政経験者の採用枠について「行政の実務経験者としてさまざまな経験を培われた方や、何らかのご縁で北九州市に来てみたいなという方などに、即戦力として新たな風を吹き込んでいただきたい」と話している。