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市営バスの苦境打開へ。待遇改善やPR展開 北九州市


週刊経済2025年1月29日発行号

給与の大幅改善や大型二種免許取得支援

北九州市は1月16日、市営バスの運営が危機的な状況にあることを明らかにした上で、待遇改善やPR展開など、様々な打開策を発表した。

市営バスは慢性的に人手不足の状態が続いており、今年度も運行に必要な運転手が161人なのに対し、147人しか在籍しておらず、14人が欠員状態となっている。さらに年齢構成も60歳以上の運転手が全体の5割近くを占めるのに対し、30歳代以下は全体の7%に留まるなど、高齢化が顕著になっている。さらにバス利用者数も2013年が約700万人だったところ、2023年は約390万人まで減少しており、運営が困難な状況に陥っている。

この状況の打開策として、運転者の募集についてのプロモーションを展開する。待遇面では、賞与を年間2・4カ月から4・6カ月に引き上げるほか、初任給も経験に応じて2万7千円から4万円の増額を図る。さらに、最大50万円の大型二種免許の取得支援制度を打ち出すほか、募集を呼び掛けるラッピングバスも1月から運行。PR動画の制作や運転体験会の実施も計画している。

武内和久市長は会見で「地域の足をしっかりと守っていくために、できる努力は最大限にやっていくつもりだが、持続的な公共交通のあり方も含めた構造的な分析や議論も深めていかなければならない」と話している。