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就任15年目、中長期計画の結実相次ぐ 福岡市
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週刊経済2025年新春特別号
高島市長インタビュー抜粋
福岡市の高島宗一郎市長は本誌1月号、「新年トップインタビュー」に応え、2024年の総括を語った。以下、インタビューを抜粋。
―2024年を振り返っての総括を。
高島 コロナ禍の影響が完全に払しょくされて、本来の福岡の元気な姿が戻ってきた1年だった。今年も福岡市の人口は増え続け、市税収入も過去最高を更新したほか、地価の上昇率も全国随一など、地方都市の中で際立った成長性を発揮することができた。特に脱コロナ以降は、インバウンドの活況や海外からの投資の増加など、国外からの注目度が一層高まった実感がある。
―この1年で特に印象に残っている施策等は。
高島 一つ挙げるならば、ミャンマーからゾウの受け入れが実現したことが、最も嬉しいトピックス。福岡市にとって7年越しの悲願であり、ここに至るまでさまざまな紆余曲折があった。
2017年に福岡市動物園で長く愛された「はな子」が亡くなったため、新たなゾウの受け入れに動き始めた。2019年にはミャンマー政府とゾウの受け入れを含む動物交流事業の覚書を締結したが、ここからが苦難の連続。コロナ禍によりミャンマーとの行き来が滞っていた中、ミャンマーの政変が起きるなど一時は受け入れのめどが立たなくなった。再開に向けて動き始めた矢先にロシア・ウクライナ危機の影響で航空機が調達できなくなり、その後何とか調達してもゾウが大きくなり過ぎて航空機に入りきらず、ゾウを選び直す羽目になり…。さまざまな問題を乗り越えて福岡に到着した経緯があるので、感慨もひとしおだ。
―11月30日からは一般公開された。
高島 公開当日は大変多くの方が動物園に詰めかけてくれて、改めて福岡市動物園にとって、ゾウが象徴的な動物であることを実感した。
就任から15年目を迎える年になるが、長く市政の舵取りを務めているからこそ、こうした中長期的な施策が結実する瞬間に立ち会い、職員や市民と喜びを分かち合うことができるので、首長としては幸せなこと。就任直後に計画を固めた七隈線延伸開通の瞬間にも立ち会えたし、当初は広大な更地が広がっていたアイランドシティの分譲地完売を見届けることもできた。 いずれも当時の苦労の思い出も相まって、非常に感慨深い。