NEWS

地下鉄新型車両がローレル賞受賞 福岡市交通局


週刊経済2025年6月4日発行号

19年ぶり3度目

福岡市交通局が昨年11月に導入した地下鉄空港線・箱崎線の新型車両「4000系」が、2025年ローレル賞を受賞した。
4000系は「一人ひとりにやさしい移動空間」をコンセプトの新型車両で、現在までに3編成を導入している。車内は、袖仕切りや荷棚、仕切り戸にガラスを使用し、開放感のある見通しの良い空間を実現。すべての号車に床や壁を青色に統一した優先スペースを設け、6号車にはベビーカーや大型荷物を持つ利用者向けのフリースペースと、背の低い子どもも景色を見渡せる大きい窓を設置している。また、営業列車としては世界で初めて本格採用した「同期リラクタンスモータ」を搭載し、高効率な走行とエネルギー消費の削減を両立、「リンク式片軸操舵台車」を導入することで、曲線通過時の走行安定性が向上し、走行音の低減にも寄与している。これらのバリアフリー設備の充実や先進技術の採用などが、利用者に配慮した次世代車両として高く評価され受賞の決め手となった。
4000系は27年度までに6両編成の車両を計18編成導入する予定で、空港線・箱崎線およびJR筑肥線で運行する。
ローレル賞は、鉄道友の会が毎年選定する鉄道車両の表彰制度で、優れたデザインや快適性、技術力などを備えた車両に贈られる。利用者目線の評価も重視され、広く親しまれる車両が選ばれる。福岡市地下鉄としては、1982年の「1000系」、2006年の七隈線「3000系」に続く3度目の受賞となった。