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内閣府・地域バイオコミュティティの1号認定 福岡県と久留米市


週刊経済2021年7月13日発行

西日本地域では唯一

福岡県と久留米市は7月2日、県市連携で提案を行ってきた福岡バイオコミュニティが内閣府の地域バイオコミュニティの1号認定を受けたと発表した。
地域バイオコミュニティは、政府が2030年時点で、総額92兆円を目標とするバイオ関連の市場領域の拡大を目的に全国各地で形成を目指すコミュニティ群。認定を受けた地域には、国による財政面や規制緩和などによる支援が受けられるようになる。県は2001(平成13)年度に福岡県バイオ産業拠点推進会議を設立、久留米市を中心にバイオ技術を核とした新産業創出や関連企業、研究機関の集積を目指す福岡バイオバレープロジェクトを進めてきたことを踏まえ、久留米市と連携し認定に向けた提案を行ってきた。1号認定となる今回は、北海道や山形県、新潟県、愛知県や岐阜県などの東海エリアのコミュニティが認定・登録された中、東海以西の西日本地域では唯一の認定となった。県内に200社を超えるバイオ関連産業の集積が進んでいることや、九州大学や久留米大学を中心とした大学発ベンチャーの事業活動が盛んなことなどが認定の決め手となった。今回、国の認定を受けた福岡バイオコミュニティでは、機能性表示食品制度を活用した農作物の高付加価値化、生活習慣改善を目的にした地元食品企業による機能性表示食品の開発、バイオ医薬・再生医療、細胞治療・遺伝子治療関連産業、国内ゲノム編集技術を核としたスマートセル開発による研究の4分野を対象に、人材や技術、資金、情報などが集積するバイオエコスステムの形成を目指す。
活動の拠点となる久留米リサーチパーク(久留米市百年公園)で開かれた記者会見で、服部知事は「今回の認定を契機に国、久留米市をはじめとした関係者とこれまで以上にしっかり連携していくことで、先端バイオベンチャーのさらなる集積を目指し、本県におけるバイオ産業に向けた取り組みをいっそう強化していきたい」とあいさつ。久留米市の大久保勉市長は「東海以西で唯一、国の認定を受けたことは意義深い。バイオ関連のスタートアップ企業を生み出し、ちゃんとしたビジネスが行えるエコスステムづくりに取り組みたい」と意気込みを話した。また、会場では菅義偉首相のお祝いメッセージが寄せられたほか、麻生太郎副総理兼財務大臣もビデオメッセージで国の1号認定によってバイオ関連産業のさらなる集積が進むことに期待を寄せた。