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倒産件数14件、11カ月ぶりに前年同月超え 帝国データバンク福岡支店


週刊経済2021年7月6日発行

福岡県の企業倒産集計5月

帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴)がまとめた福岡県の5月の企業倒産件数は、前年同月比7・7%増(1件増)の14件と11カ月ぶりに前年同月を上回った。負債総額は同43・3%減の8億1200万円と、3カ月ぶりに前年同月を下回った。負債総額は2000年以降で過去最低の2018年11月(6億200万円)に次ぐ低水準にとどまった。
業種別では、サービス業(5件、構成比35・7%)が最多。前年同月との比較では、建設業(4件、同28・6%)とサービス業で増加し、卸売業(0件、同0・0%)と運輸・通信業(1件、同7・1%)、小売業(3件、同21・4%)で減少した。  地域別では、福岡地区が9件(前年同月比10・0%減)、北九州・筑豊地区が4件(同42・9%減)、筑後地区が1件(同50・0%減)となった。
福岡県の5月の企業倒産件数は、11カ月ぶりに前年同月比増となったが、件数変動は1件にとどまった。2020年5月は一度目の緊急事態宣言を受けて弁護士事務所や各裁判所において、在宅勤務を余儀なくされたことに伴い、破産手続きが先送りされたことが全体の件数を押し下げた要因としてあった。しかし、2021年5月は同宣言期間中ではあるものの、破産手続きが先送りされた可能性は低く、政府をはじめ各金融機関における支援策の効果の持続が、件数抑制の要因として考えられる。ただ、足元ではコロナ禍の影響を大きく受けている飲食店をはじめ、関連する業種で倒産が散発している。今後は、同支援策でしのいでいた企業がどこまで持ちこたえられるのか、かつ、支援策をいつまで続けられるのかが件数増加の焦点になってくるだろう。